興味深いWindows 8のベンチマーク結果
ハードウェアやソフトウェアの性能を数値として測るため、ベンチマークテストがよく用いられているのは周知のとおりだが、誰しも気になるのはWindows 8のパフォーマンスではないだろうか。現在公開中のWindows 8 Consumer Previewはベータ版であるため、最終的なチューニングも施されておらず、正しいベンチマーク結果を得ることができない。
それでも知りたいというユーザーのためにWindows 7とWindows 8 Consumer Previewを行ったのが海外の有名コンピューターニュースサイト「PCWorld」だ。もともとPCWorldは長年の歴史を持つコンピューター雑誌だが、現在では雑誌と平行してWebサイトも運営しているようだ。
記事によると、Intel Core i5-2500Kを搭載したコンピューターにDDR3 8GBのメモリを搭載し、1TB(7200rpm)のHDDとNvidia GeForce GTX 560 Tiをセットした環境に、Windows 7とWindows 8 Consumer Previewをインストール。同社の定めたテスト条件下で各種ベンチマークが行われている。
同社のベンチマークソフトであるWorldbench 7による全体的なパフォーマンス結果は、Windows 7が100ポイントに対してWindows 8が114ポイントと5%の向上が確認できた。起動時間はWindows 7が平均56.2秒に対し、Windows 8は平均36.8秒と35%も向上。Webページのパフォーマンスを計るベンチマークは、Internet Explorer 9および10を用いているが、前者が18.9fps。後者が28.6fpsと大幅に向上している。
マシンパワーを計るエンコードテストはWindows 7の方が若干速い。デバイスドライバーの完成度などチューニングレベルの差が現れたのだろう。PCMark 7を使ったアプリケーション系ベンチマークのProductivity testでは、Windows 7が2280ポイント、Windows 8が2099ポイントと、こちらも後塵を拝する結果となった。
起動時間の短縮は、Windows 8 Developer Previewや同Consumer Previewを試した方なら体感したように向上したのは明らか。Internet Explorer 10もパフォーマンス面の改善が施されていることは同Platform Previewで確認されている。前述のとおり最終的なチューニングが施されていないことから、エンコードテストやアプリケーション系ベンチマークは奮わなかったが、新しいものを数値として計りたいユーザーには興味深い内容だろう。記事ではベンチマークの結果がグラフで掲載されているので、興味のある方はアクセスして欲しい。
阿久津良和(Cactus)