新機能ももちろん、従来までの独自機能もそれぞれレベルアップ
MSIの7シリーズ・マザーボードの合言葉は「品質」だそうだ。同社のIntel X79マザーボードから採用されたミリタリークラスIIIは、ほとんどの7シリーズマザ-ボードで採用されている。ミリタリークラスIIIを構成する要素は、Intel X79モデル時と変わらないが、コンポーネントがMIL-STD-810G規格の認定を受ける際、具体的にどのようなテストを行なっているのかが紹介された。説明によると、テストを委託しているのは台湾INTEGRATED SERVICE TECHNOLOGYというメーカー。ここで、熱ショックテストや多湿環境テスト、高温環境テストなど7つのテストが行われ、これをクリアしたコンポーネントを採用しているとされる。
同社7シリーズ・マザーでは、ミリタリークラスIII、OCジニーII、クリックBIOS IIをサポート |
ミリタリークラスIIIで用いられるコンポーネントが、どのようにMIL-STD-810G規格の認定を受けているかを紹介 |
UEFI画面とWindows上のユーティリティで同じUIを提供するClick BIOS IIは、新バージョンで日本語を含む多言語に対応を果たした。合せて、ゲーミングマウスへの最適化も行われているという。これは、解像度の高いゲーミングマウスをUEFI画面で利用する際、よりスムーズな操作が可能になるというもの。RazerやSteelSeries、ロジクール、Microsoftなどのゲーミングマウスに対応しているという。UEFIの時代となって、これにゲーミングマウスを組み合わせた際の挙動にいくつか問題が挙がっているとのこと。同社のClick BIOS IIでは、こうした問題無しに安心して利用できるとしている。
電源回路設計では、今回ハイブリッド・デジタル・パワーという仕組みが採用されている。これは、基本的にはなめらかに追従するアナログPWM回路がベースだが、コントロール部分をデジタル化したもの。同社によれば、アナログ回路とデジタル回路のいいところ取りとのことだ。従来のアナログPWM回路よりも省電力な一方、反応時間は短縮され、OCに効果があるとのこと。さらに、CPUフェーズだけでなく、CPU I/OフェーズやPCHフェーズ、DDRメモリフェーズなど、様々な回路のフェーズ制御が従来よりも簡単に実現することができるという。ほか、OC向けとされているが、デジタル補正によるVdrop幅の抑制にも効果があるとのことだ。
チップセット自体の機能やOCジニーIIによって、現行のSandy Bridgeと組み合わせてもパフォーマンスが向上するとのこと |
アナログPWM回路とデジタル制御チップを組み合わせ、双方のメリットを引き出したというハイブリッド・デジタル・パワー |
ハイブリッド・デジタル・パワーの効果は、回路保護やOC、フェーズ数制御などで効果があるとされる |
ハイブリッド・デジタル・パワーでは、デジタル補正を行うことでVdropの幅を抑えることも可能とされる。電圧変動にシビアなOC時に効果を発揮するとのこと |
その他、バックパネルにUSBポートのうち1基を「ゲーミングデバイスポート」として用意する。このポートには3層金メッキが施され、高速デバイス接続時のデータ転送を最適化するという。また、USBセーフガードは、静電気によるUSBポートの故障を防ぐ目的の機能とのこと。具体的には単純なヒューズではなく、電子回路によって制御し、過電流でヒューズが飛んだ状態でも、一定時間経過後に復帰するとされる。ほか、USBポートに1.5Aの電流を供給することでUSB充電をサポートする「スーパーチャージャー」機能も搭載される。ボード上のチップも一部アップデートされる。新しいオーディオチップ「ALC898」は、低ノイズレベルと幅の広いダイナミックレンジを実現するとのことだ。