先日、NVIDIAが発表したKepler世代の新GPU、デスクトップ向けの「GeForce GTX 680」は既に性能評価のベンチマークレポートをお届け済みだったが、モバイル向け「GeForce 600Mシリーズ」については本稿で性能評価をお届けしたい。短い期間ではあったが、「GeForce GT 640M」を内蔵するAcerの「Aspire Timeline Ultra M3-581TG」を手配できたので、今回は、これを試してみたいと思う。
「GeForce GT 640M」を内蔵するAcerの「Aspire Timeline Ultra M3-581TG」。ちょっと大きく見えるが、Ultrabookであるとされている。左下のシールだが、NVIDIAのものも、Ultrabook用のシルバー系のシールになっていた |
GeForce 600Mシリーズの概要
こちらのリリース記事でお伝えしたように、デスクトップ向けがGeForce GTX 680の1モデルのみだった一方、モバイル向けはGeForce 600Mシリーズとして複数のモデルが発表されている。600Mシリーズ中でも、一部Fermiコアが混ざっているので少々混乱するが、うちKepler世代のGK107コアを採用しているのは、「GeForce GTX 660M」「GeForce GT 650M」「GeForce GT 640M」といった、ミドル~アッパーミドルのセグメントに属する製品となっている。
今回試すAspire Timeline Ultra M3-581TGには、このうち「GeForce GT 640M」が搭載されている。このGPUの主なスペックだが、CUDA Core(SP)数が384基で、GPUコアクロックが625MHz、メモリタイプがGDDR5もしくはDDR3(レビュー機ではDDR3だった)、メモリ接続バス幅が128bitというもの。NVIDIA Optimusにも対応しており、CPUの統合グラフィックスとの動的な切り替え制御にも対応している。なお、デスクトップ向けのGeForce GTX 680ではトピックだった「GPU Boost」技術については、このGPUではサポートしていないとのことだ。
GPU-Zでスペックを確認。メモリは900MHzのDDR3だった。シェーダクロックが倍速のホットクロックになっているが、Keplerではホットクロックが廃止になっているはずなので、恐らく表示のバグだろう |
機材紹介
さて、今回のテストで利用する機材を少し紹介しておこう。Aspire Timeline Ultra M3-581TGだが、これは現時点では国内未発表の最新ウルトラブックだ。ただ、プラットフォームや厚さ(実測で20mm程度)は確かにウルトラブックなのだが、ディスプレイサイズが15インチと大型なので、ウルトラブックと思っていると少々面食らうモデルではある。重量はおよそ2kg程度だった。バッテリ駆動は公称8時間だ。
GeForce GT 640Mを搭載する以外の主なスペックとしては、ディスプレイ解像度が1366×768ドット、CPUがIntel Core i5-2467M(1.60GHz)で、チップセットがMobile Intel HM77 Express、メインメモリ4GB、ストレージが256GB SSDと500GB HDDのISRT構成、DVDスーパーマルチの光学ドライブを内蔵と、20mm程度という薄型きょう体らしからぬハイスペックが詰め込まれている。OSはWindows 7 Home Premium SP1 64bit版だ。なお、GPUドライバはNVIDIA提供のテストドライバを利用しており、バージョンはForceWare 296.11となっていた。