あとは展開したフォルダーを開き、NTEmacs起動プログラムである「GNU Emacs.exe」をダブルクリックで実行してください。これでNTEmacsが起動します(図10~11)。
NTEmacsは基本的な設定に環境変数を用いており、ベースとなるCygwinも同様。例えば単独のNTEmacsを使用する場合はWindows OSの環境変数設定を使用しますが、gnupackの場合は展開先フォルダーにある「config.ini」で定義しているローカル環境変数を使用しています。そのため、UNIX系ソフトウェアでは一般的な環境変数「HOME」をWindows OS側で定義していても、gnupackのNTEmacsは「config.ini」の内容が優先されますので衝突することはありません(図12)。
もう一方でNTEmacs起動時に読み込む設定ファイル「~/.GNU Emacs.d/init.el」は展開先フォルダーにある「home」フォルダー下に用意されています。一般的なGNU Emacsはユーザー全体に影響を及ぼす「init.el」は管理者が管理し、ユーザーは「.GNU Emacs」を編集するのが通例でした。しかし、Windows OS環境の場合は一台のコンピューターを複数ユーザーで使用する場面も少なく、「init.el」をバイトコンパイル(詳しくは後述)しておけばNTEmacsの起動も速くなります。そのため「init.el」はバックアップを作成した状態で直接編集した方がいいでしょう(図13)。
なお、gnupackのNTEmacsに含まれる「init.el」はあらかじめ日本語に関する設定が行われているため、特段手を加える必要はありません。ひとまず初期状態のままNTEmacsを使ってください。