2012年2月2日にPS3/Xbox360用ソフトとして発売された不死身の男が戦うアクションゲーム『ネバーデッド』。頭だけになっても死なない不死身だからこそ可能となる奇想天外なアクションっぷりとヤル気があるのか不真面目なのか、気だるくしゃべる主人公&ミニスカ全開の美人相棒とのトークに酔いしれろ!
2011年6月、ゲーム系サイトで話題となった動画がある。頭だけになったオッサンがころころと転がって、銃を持った腕だけが頭にぺたっとくっついて、弾をモンスターにぶっ放すというもの。これは2011年のE3(毎年アメリカで行われている世界最大のゲーム展示会)で発表された『ネバーデッド』のトレーラーだが、あまりのぶっ飛んだ&暴力的な雰囲気で「これは日本で発売できないだろう」と素直に思ったものだ(同じ感想を抱いた人も多かった模様)。当時その動画はけっこう騒がれていたので、記憶にある人もいるだろう。
あれからしばらく音沙汰がなかったので、記憶から消えかけていたのだが、なんと2012年の2月、さまざまな心配もどこ吹く風、あっさりと発売されました。人間じゃなくて悪魔だから倫理問題はないですよ、ブッ倒しまくっても問題ないでしょ? といった風潮はここ数年やたらと発売されるゾンビ・悪魔系ゲームを見るとヒシヒシと感じるところだが、ネバーデッドは敵も悪魔だけれど、自分も悪魔。悪魔だから死なない、死なないから体がバラバラになっても平気。だから頭だけになってころころと転がっても大丈夫なんだ、というか頭だけだからこそできるアクションがあるじゃないかと、逆転の発想というか、開き直りというか突き抜け具合がいい感じのゲームなのである。
しかし、このゲームに興味があるならもっとも注意したいのが、いわゆる"無双"系ゲームではないこと。不死身をいいことにバッタバッタと気持ちよく敵を倒しまくるゲームと思ったら大きな間違いなのである。意外にも"アクションパズル"というジャンルがピッタリとはまりそうな内容だ。頭だけになって頭を使うのである。具体的にどのような場面で首だけのアクションが有効なのかは、あとで解説するとして、主人公はなかなかにヘッポコだ。敵は強い上に、簡単に体をバラバラにされて頭だけになってしまう。先に進むためには仕掛けを解くために頭をひねったり、目的の場所へと移動するために絶妙な操作を求められたり、イライラさせられる場面もある。
しかし、それだけに達成感はバツグンだ。海外のレビューでは"退屈"などと書かれているのを見かけるが、いやいや古き良きゲームにあったトライ&エラーを繰り返すからこそ生まれる素晴らしい達成感がこのゲームにはある。筆者は、うまくいかずにイライラしながらも、そうだからこそ「ああっ、ゲームしてるなぁ」としみじみ思う場面が多かったからである。
いろいろと先走ってしまった感もあるが、ストーリーを紹介しよう。主人公となるのは500年前、妻と共に魔王に戦いを挑み、妻を失った上、不死身にされてしまった悲劇の男「ブライス・ボルツマン」。その絶望からか、悪魔を倒すデモンハンターをやっているものの、その理由は酒代を稼ぐため。声の担当は洋画の吹き替えなどで知られる白熊寛嗣さん。悪魔に足をやられれば、「俺の右足どこ?」、体をバラバラにされれば「クビになっちまった~」と危機感ゼロな口調でしゃべるのが面白い。画面は残酷な雰囲気ながら、その口調でプレイヤーをゆるーい気分にしてくれる。
そして相棒となってくれるのが、デモンハンターを管理監督し、悪魔を秘密裏に処理するNADA所属の凛々しい女性「アルカディア・マクシミル」。使命感に燃え、だらだらとするブライスの尻を叩く行動やセリフは、むさいおっさんが主人公なだけにプレイヤーのやる気を盛り上げてくれる。声優は白熊寛嗣さんと同じく、洋画の吹き替えを中心に活躍する実力派の木下紗華さんが担当している。
このほか、単独行動を好むデモンハンター「アレックス」に独特の口調で大人気の若本規夫さん、上級悪魔の「サングリア」には、ばいきんまんやフリーザ様でおなじみの中尾隆聖さん、カリスマ的存在の人気ポップアイドル「ニキ・サマーフィールド」にはマクロスFのランカ・リーの声で知られる中島愛さんと、声優陣は非常に豪華。若本さんによるアレックスの怪演ぶりを聞くだけでもプレイする価値はある、と思うほどだ。
五体バラバラはデフォルト、次項では、不死身のオッサンの"バラバラ"ライフに迫る!!(攻略です)――続きを読む