新しいFirefox Syncでアドオンを同期
さて、新機能のなかでもっとも注目の機能といってもよいアドオンの同期である。ここではわかりやすいように、Windows XPと7で同期をとってみた。まずは、Windows 7側にアドオンなどをインストールし、Syncをセットアップする。もし、アカウントがすでにあれば、そちらで設定を行ってほしい。ここでは、新規にアカウントを作成するところから始めたい。まずは、次の5つをインストールした。
ウィンドウ下、もしくはFirefoxメニューの[Syncをセットアップ]を、選択する。セットアップでは、[新しいアカウントを作成]で、新規アカウントを作成する(図9)。
メールアドレス、パスワードを入力する。サーバは、デフォルトのFirefox Syncサーバで問題ないだろう(自前で用意したサーバを利用することも可能だ)。あとは、表示された文字を正しく入力する。
以上で、セットアップは完了である(図11)。
次は、同期を行う別のPCに移る。新規にFirefox 11をインストールした状態で、アドオンは、何も入れていない(図12)。
ウィンドウ下、もしくはFirefoxメニューの[Syncをセットアップ]を選択する。[アカウントを持っています]をクリックすると、英文と数字の12文字が表示される(図13)。
次に、7の方に移る。今度は、スタート画面下の[デバイスと連携]をクリックする。空欄に、XPで表示されているコードの12文字を入力する。
Windows XP側でも、セットアップが行われる(図15)。
Windows 7側では、デバイスが接続されたことが表示される(図16)。この段階で、同期が開始されている。
ここで、Windows XP側のFirefox 11でアドオンを確認すると、Windows 7側でインストールしてあるアドオンが入っていることがわかる(図17)。
この時点では使えず、再起動を行う必要があるが、図8と同じアドオンが入っていることがわかるだろう。これ以外にも、ブックマークやパスワードなども同期されている。同期の設定は、Firefoxメニューの[オプション]→[オプション]から、[Sync]タブを選択する(図18)。
同期する項目などを設定できる。[アカウントを管理]から[サーバ使用量]を選択すると、Firefox Syncサーバの使用状態がわかる(図19)。
そんなにディスク容量を使用してはいない。Syncをを有効にすると、その後は、自動的に同期が行われる。同期はバックグラウンドで行われ、ポップアップなどの表示はいっさい行われない。あるPCで、アドオンの変更を行うと、その情報がFirefox Syncサーバに送信される。その内容は、ほかのPCで、Firefoxを起動したときに反映される。図17のように、同期されたアドオンは、再起動をしないと有効にならない。しかし、多くのユーザーが、1日に複数回Firefoxを起動しているので、違いに気がつくことは少ないであろう。Mozillaによれば、アドオンの同期は、以下の条件を満たすアドオンのみが対象となる。
- アドオンの種類が拡張機能もしくはテーマであること
- Mozilla の公式アドオン紹介サイト(AMO/AMJ)からインストールされたものであること
- アドオン紹介サイトでの状態が正式公開となっていること
- ユーザー本人が自分のプロファイルにインストールしたものであること
Mozillaでは、アドオンの同期に関してはセキュリティとプライバシーの確保を最優先としたとのことである。そのために、このような条件を設定した。また、PCからの情報は、サーバに送信される段階で暗号化され、サーバ管理者でもその内容を把握することは不可能とのことである。現時点では、PC(Windows、Mac、Linux)同士でのみ、同期が可能で、スマートフォンなどとの同期はできない。PCとモバイル端末の同期は、以降のバージョンで予定されている。
本誌で筆者がFirefoxのアドオンの紹介記事を始めたころ、「ブックマークだけでなく、アドオンも設定も全部同期できてほしいよね」なんて話を周囲と交わしたこともあった。当時(Firefox 3.0がリリースされた頃だった)、夢物語のように感じていたのであるが、それが現実のものとなった。高速リリースになり、バージョンアップの新機能に対する新鮮味がやや薄れていたが、Firefoxは着実な進歩を続けていることを感じた。