イメージファイルで起動し、HDDにデータを復元
さて、「HD革命/BackUp Ver.12」には、バックアップデータをコンピューターに復元しながら、Windowsを起動する「イメージファイルブート」という機能が用意されている。本バージョン最大の目玉となる本機能は「HD革命/BackUp Ver.12」のバックアップデータ(拡張子「.hdz」)をイメージファイル化し、コンピューターを同ファイルから起動。ここから復元操作を行うというものだ(図05)。
興味深いのはバックアップデータをイメージファイル化する方法。「HD革命/BackUp」シリーズでは以前(Ver.10)から、バックアップデータを用いてコンピューターを起動する機能を備えたが、付属する「HDZマネージャー」などを用いてマウントなど煩雑な操作を強いられていた。しかし、本機能は操作を行うツールを起動してからバックアップファイルを選択するだけよい。しかも、インデックス情報を書き換えるだけなのか作業は瞬時に済むので、気軽に試すことができる(図06~08)。
なお、本機能を応用し、コンピューター起動時に復元操作を行う「ブートリカバリー」機能も用意されているが、使用できるのは「イメージファイルブート」機能と同じく、「HD革命/BackUp」シリーズのVer.5以降で作成したバックアップデータのみ。また、MBRに自身を導入するソフトウェアとも相性が悪いので、試す場合は事前にマニュアルを参照してほしい。
コンピューターを操作しながら復元できるメリットが大きいのは前述したとおりだが、本来は復元操作のために用意された本機能の応用として、ダウンロードしたソフトウェアの実験や検証などのテスト環境としての活用を提案したい。イメージファイルブートで起動した環境は読み取り専用モードで動作するため、ファイルの変更や削除、追加は一時ファイルに蓄積されるが、作業領域容量がなくなると常駐している「イメージファイルブート監視プログラム」がコンピューターの再起動をうながしてくる。
そのため、バックアップデータやWindowsを導入したシステムドライブへの悪影響は最小限にとどめると同時に、ハードウェアリソースを活かしたテストに最適な環境なのだ。もちろんトラブル発生時の復元操作中に、ちょっとしたデータ作成やデータ送信に使えるのは言うまでもないが、さまざまな機能と可能性を備える「HD革命/BackUp Ver.12」はユーザーの数だけ活用方法がありそうだ。