スペイン・バルセロナで開催された世界最大のモバイル見本市「Mobile World Congress 2012」の会場で、ソニーモバイルコミニュケーションズは、Android搭載スマートフォン「Xperia」シリーズを公開していた。Xperiaシリーズの展示だけでなく、ソニーの100%子会社化にともなってソニー製品との連携を強く打ち出したブースになっていた。
新製品は、MWC開幕前日に発表されたXperia PとXperia Uの2機種。1月に発表されたXperia Sとあわせ、Xperia NXTシリーズのラインナップを拡充した。最上位機種はXperia Sで、Xperia Pは上位機種、Xperia Uはミドルクラスという位置づけになる。サイズはXperia S、P、Uの順に小さくなる。
Xperia P/Uともに、背面がやや膨らんだデザインで、本体下部の透明パネル「フローティングプリズム」を備えており、デザインの方向性はXperia Sと同じ。
Xperia Pは背面パネルにアルミニウムを採用し、質感を向上させている。特に欧州市場を想定したということで、なだらかな曲面のユニボディを採用。薄く成形するのに苦労したという。本体背面上部、カメラレンズの部分にNFCアンテナを装備しているが、本来金属外装を使うとNFCの電波が遮られてしまう。そのため、カメラから上に伸びる1本のすき間を開け、NFCの電波が飛ぶようにしたという。意匠として生かしつつ、実用性のあるデザインにしている。
ディスプレイサイズは4インチ960×540ピクセルで、新たに液晶技術として「WhiteMagic」を採用した。これは、ソニーが開発した技術で、通常のRGB画素にW(白)画素を追加して画面の輝度を向上。同時に消費電力を削減したり、屋外での視認性を向上させたりといったことが可能になるというもの。デジタルカメラ向けに開発され、スマートフォンへの応用も検討されていた技術で、Xperia Pで初めて採用された。実際に会場で試してみると、強い光を当てても画面がよく見え、視認性は大きく向上している。ただ、画素にWを加えることで、画質自体が劣化する可能性があり、WhiteMagicでは画質の低下を抑えるようにソフトウェアでの工夫も盛り込んでいるそうだ。なおXperia PがWhiteMagic初搭載の端末となったのは、液晶パネルサイズなどの問題があったためだという。