アナログPROTREK"MANASLU"「PRX-700T」は、こう計測する!
アナログ針を電子式のリューズスイッチで操作するシステム「Smart Access(スマートアクセス)」は、従来のEDIFICE(エディフィス)シリーズ、OCEANUS(オシアナス)シリーズに加え、アウトドアウオッチPROTREKのシリーズ最高峰モデル「MANASLU(マナスル)」の新製品「PRX-7000T」(4月発売予定)にも初採用された。このPRX-7000Tでは、従来デジタル表示していた高度・気圧・温度といった計測値をアナログ針で示すという新たな、そして高度なトライアルを行っている。
フィールドをイメージしたPROTREKブース。「PRX-7000T-7JF」以外にも多くの新製品が展示されていた |
PROTREK初のアナログ&スマートアクセス搭載モデル「PRX-7000T-7JF」。重厚な見た目ながら、チタン製ブレスの採用により、重量わずか120gと驚くほど軽い |
では、計測値をどのように表示するのだろうか。その疑問にお答えするべく、PROTREK開発チームの牛山和人氏に「PRX-7000T」を実際に操作・解説していただいた。
音声が流れますのでご注意下さい。 開発チームの牛山氏による PROTREK「PRX-7000T」の高度・温度・気圧測定の操作デモ。アナログ針での測定結果表示が見どころ。なお、今回動画は2本ともカシオのコンパクトデジタルカメラ「EXILIM EX-ZR20」撮影している(無編集) |
さらに「PRX-7000T」では、Smart Accessを搭載したことにより、時分針を直感的に操作できるようになった。このため、登山の前、出発地点での高度合わせが格段にやりやすくなっている。こちらも、ぜひ動画でご確認いただきたい。
音声が流れますのでご注意下さい。 開発チームの牛山氏による PROTREK「PRX-7000T」のりゅうずによる高度補正の操作デモ |
なおPROTREKシリーズは、プロ登山家の竹内洋岳氏らトップクライマーのニーズをカシオの開発チームが吸収し、具現化するという形で開発が進められている。発表会当日は竹内氏も来場しており、お話を伺うことができた。
竹内氏「私にとって、時計はアナログであることが重要です。登山者にとっての時間は登山計画、つまり走破距離と密接に結び付いている。あと何時間で予定地点まで行く、という逆算は、時間を数値じゃなく量として感覚的に把握できるアナログじゃないとダメなんですね。
PRX-7000Tはその感覚を突き詰めた、いわば"挑戦"でした。すべての機能をアナログで表現するという高度な課題を、カシオ最新のデジタル技術で実現する。それは、山に登るという行為に近い。山はすべての人が登るわけじゃないけれど、登る人はより高みを目指さずにいられない。できるかどうかわからないけれど、今まで見たことがない世界に自分たちが到達してやろう、と思うわけです。PRX-7000Tは、そんな登山家のスピリットで開発された製品です」
竹内氏は現在、地球上に存在する標高8,000m級の頂、全14座を制覇するという日本人初の試み「14 PROJECT」に挑戦中。すでに13座を征服し、ヒマラヤ山脈のダウラギリを残すのみとなっている。最後のツアーは3月よりスタートし、6月頃に帰国予定。このアタックでも、PRX-7000Tが実際の装備として使用される。