高速動作では、「Superfast Capture」機能により、シャッターボタンを押してから0.7秒というスピードを実現した。AFは0.2秒と速く、シャッターボタンを押し続けるだけで無制限の連写も可能だ。悪条件での撮影にも強く、低光量時、逆光時などに威力を発揮するという。レンズは開放F値がF2.0と明るく、光量の少ないシーンで手ブレを抑えて明るく撮影できる可能性が増える。
HDR機能も搭載する。携帯カメラで「ポピュラーな端末」(Chou CEO)であるiPhone 4Sに比べても良好な結果が得られるという。
Video Pic機能では、フルHDの動画撮影中にシャッターボタンを押すことで静止画を撮影することができる。最近のデジカメでは比較的多いが、携帯カメラとしては珍しい。静止画撮影時もビデオ撮影は継続する。また、撮影した動画を撮影している状態から、シャッターボタンで静止画を切り出す機能も備えている。
こうして撮影した画像を活用できるように、HTC Senseにファイル同期サービスの「Dropbox」を統合したのも新しい。Dropboxは、無料で5GBのファイル容量のデータをアップロードしてバックアップできるほか、複数の端末でファイルを同期できる。最近、スマートフォンで撮影した画像を自動的にアップロードする機能を追加しており、これを活用して、撮影画像を同期して利用できる。HTC Oneユーザーには、本来有料の25GB分の容量が2年間にわたって無償提供され、「1万枚以上の高画質画像が保存できる」とChou CEOはアピールする。
撮影した画像や動画をテレビの大画面で見るときに便利な「Media Link」機能も搭載。テレビのHDMIポートにMedia Link HDを指し、あとはHTC Oneで動画像を表示して3本指でスワイプすると、ワイヤレスでそれが転送され、テレビに表示される、という。Chou CEOは、繰り返し「アメージング(驚くべき)カメラ」と強調し、カメラ機能をアピールしている。
音楽機能では、音響技術の「Beats by Dr. Dre Audio」を統合し、より豊かで臨場感のあるサウンドを実現するという。端末内の音楽だけでなく、YouTubeやビデオの音楽も高音質化できるそうだ。PCと端末を接続すると、自動的にiTunesを含む音楽ライブラリを同期する機能も搭載した。ストリーミングの音楽サービスやインターネットラジオにも対応。音楽解析のSoundhound技術を備え、流れている曲を調べることができるようになっている。
グローバルでは4月から順次発売する予定で、165の携帯事業者から登場するそうだ。ただし、現時点で公開されているキャリアの中に、国内キャリアはないようだ。Chou CEOは、カメラと音楽機能に注力しながら、ほかのスペックでもクアッドコアプロセッサを搭載し、ICSを搭載するなど妥協がないことで、HTC Oneを「真のスーパーフォン」とアピールしている。