2010年には中国初進出

クラブメッドは、近年特に経済成長著しいアジア地域への進出を進めている。現在、アジア・パシフィック地域に11のリゾートを展開するが、これが全体の売上の17%を占めているという。日本では、1987年に北海道(サホロ)にスキーリゾート、1999年に石垣島(カビラ)のビーチリゾートを開発。中国へも2010年に進出を果たし、ハルピンから車で2時間程のヤブリにスキーリゾートをオープンさせた。

中国初のクラブメッドとなった、2010年オープンのヤブリ。中国では富裕層を中心にスキー人口が増えており、ゲストの8割を中国人が占めている

さらに、2004年より世界各地のクラブメッドのアップグレード化も進めている。既存の施設やサービスをリニューアルし、より快適でラグジュアリーなリゾートへ進化を続けているのだ。まず2005年から2009年にかけては、主にサービス面での大改革を敢行。「オールインクルーシブ」を「プレミアム オールインクルーシブ」へ切り替え、よりきめ細やかで上質なサービスを行なう。例えば、これまでは有料だったバーでのアルコールも一部を除いて追加代金不要に。また、子供を預かるサービスでも定評のあったクラブメッドだが、こちらもさらにサービス内容を充実。生後4カ月からの新生児を預けることができるリゾートもあり(こちらは有料)、4歳~17歳の子供に関しては様々なキッズ向けアクティビティを提供するキッズクラブを無料で利用することができる。

今春施設のリノベーションが完了する「クラブメッド石垣島(カビラ)」。リピーターからの支持率も非常に高い

2008年からは、より本格的なハード面への投資を進めており、日本でも、石垣島(カビラ)の改装が2012年6月に完了予定。北海道(サホロ)では、昨年スペシャリティレストラン「ミナ ミナ」をオープンし、メインレストランも改装した。地元の農家や漁師にも協力を要請して北海道の食材を積極的に使用する等、メニュー面にも力を入れている。2012年11月には、ゲレンデに新たな5つのコースを設けることも予定している。コースが約4,800m分増えると共に、雪の溶けにくい北斜面に新設するのでゴールデンウィーク頃までの営業延長を視野に入れている。

今後のアジア地域の展開としては、2012年8月に中国2つ目のリゾートが桂林(グイリン)にオープン予定。さらに中国・海南島にも進出を決めており、今後5年の間に5つのリゾートを展開する計画だ。「中国での認知度も徐々に上がってきている」と瀬口氏が語るように、中国展開は好調の様子。今後年に1施設のペースで展開を進め、5年であと5つのリゾートを出すという。日本でも、2つ目のスキーリゾートを北海道・留寿都(ルスツ)に計画中。アジア地域での勢いを増しているクラブメッド、その世界クオリティーを一度確かめてみてはいかがだろう。