安定動作の実現と情報漏えいを未然に防ぐセキュリティ環境

コンピューターを使い続ける上で、常に同じ環境で使用できる安定動作の維持と、日を追うごとに発生するセキュリティリスクの回避は欠かせない作業である。ちょっとした操作ミスで起こりうる設定の変更は、Windowsに精通していなければ原因を探し出し、元の状態に戻すことは難しい。また、試しにインストールしたソフトウェアが原因で、コンピューター環境が著しく変化し、元に戻せなくなる方も多い。

もちろんWindows 7には、何らかの問題が発生した際に以前の安定状態にシステムファイルなどを書き戻す復元機能やバックアップ機能が用意されている。だが、より簡単に安全性を高める方法があることをご存じだろうか。「HD革命/WinProtector Ver.3」は、ドライブへの書き込みを保護することで、誤操作やウイルスなどの攻撃からコンピューターを守るためのソフトウェアである。

OSやソフトウェアが求める書き込みを、メモリーやHDD上に作成した一時ファイルへ迂回(うかい)させることで、HDDなどに対して行われる操作は読み込みのみ。コンピューターの再起動やシャットダウン時に一時ファイルを破棄することで、使用中に行った設定変更やウイルスなどの攻撃にさらされた被害もすべてリセットできるため、容易に安定した環境を維持できるというものだ(図08~09)。

図08 公式サイトに掲載されている「HD革命/WinProtector Ver.3」の仕組み

図09 「HD革命/WinProtector Ver.3」の動作画面。一時ファイルはHDD上やメモリ上に作成できる

図10「HD革命/WinProtector Ver.3」の通常販売価格は8,532円

もちろん保護できるのは、OSをインストールしたホストドライブだけでなく、データ用ディスクなども対象に含められるため、すべてのディスクを保護することが可能だ。復元機能やバックアップ機能は、さほど短くない作業時間を強いられるため、本ソフトウェアで環境維持を目指してほしい(図10)。

その一方でビジネスユーザーを中心に求められる情報漏えいの対策。そもそも一般的なOSでは、データを削除してもディスク上から消えるわけではない。例えばWindows 7には「ごみ箱」という特殊なフォルダーが用意されており、「ごみ箱を空にする」ことでファイルが削除される仕組み。だが、本当にファイルが消えたわけではなく、ファイルやフォルダーを管理するインデックス上で、“存在しない”ことにしているだけだ。

そのため、外部に漏えいすると問題が発生する重要なデータは、特別な方法で削除しなければならないのである。同操作をWindowsだけで行うのは基本的に不可能。そのため「HD革命/Eraser Ver.3」のように、ファイルデータの保存領域に無意味なデータを上書きするソフトウェアが必要になるのだ(図11)。

図11 「HD革命/Eraser Ver.3」ではNSA方式など六種類の方法でデータを削除している

図13 「HD革命/Eraser Ver.3」の通常販売価格は3,591円

同ソフトウェアでは、ディスク全体に対して消去処理を行うが、個人情報をまとめたファイルや企業の重要な情報を含んだファイルだけをキレイに削除する場合は、ファイルやフォルダー単位で抹消できる「シュレッダー機能」を使うとよい。デスクトップ上の「シュレッダー」ウィンドウに抹消するファイルやフォルダーをドラッグ&ドロップするだけで、簡単かつ確実にデータを抹消できる。なお、抹消方式は前述した六種類のなかから事前に選択することで変更可能だ(図12~13)。

図12 ファイルやフォルダー単位でデータを抹消できる「シュレッダー機能」

いずれもコンピューターの安定環境維持や、情報漏えいなどのセキュリティリスクを軽減するために有用なソフトウェアである。二つのメリットを同時に求められるSOHOや中小企業は、両ソフトウェアでコンピューターを保護してほしい。