中距離路線ではパレより一回り小さい「プティパレ」を用意。「グアラカ」がJALオリジナル。こちらはベネズエラ産とアフリカ産のカカオを使った力強い味わいが特徴。他に、ベネズエラ産カカオを使用した繊細で上品な「ブリスール」、南米産カカオを使い、アーモンドとキャラメルの風味をプラスした「ブレジリアンレ」、砕いたコーヒー豆を散らした「カフェ」といったラインナップとなっている。「エグゼクティブクラスの乗客は仕事で多忙な方が多いと考え、はっきりした味のショコラを選び、メリハリをつけました」(エヴァン氏)。
ファーストクラスでは食事の後に乗務員が乗客に配り、エグゼクティブクラスでは1回目の食事の後、バーカウンターにセットし、自由に取ってもらうスタイルを採用している。
「日本らしさ」を演出するために
今回、エヴァン氏がテーマとしたのは「繊細さ」。日本人の繊細な味覚に訴えるショコラをつくるために、ベネズエラなどカカオ産地に足を運び、素材を厳選していった。
日本航空 商品・サービス開発部マネージャーの田中誠二氏は、「昨年4月以降、機内食を強化するべく、国内の優良なブランドとのコラボレーションに取り組んできました。ショコラに関しては、日本ではなくフランスのブランドとなりましたが、ジャン=ポール・エヴァン氏は名実共にショコラ界のトップに君臨するショコラティエ。カカオに対する情熱には心を打たれるものがあり、またジャン=ポール・エヴァンが持つエレガントなブランドイメージはJALが目指すものでもあり、今回開発をお願いすることにしました」と語った。
また、完成したショコラに関しては、「"日本をイメージ"といっても、柚子や抹茶を使うのではなく、ショコラの繊細な味わいで日本らしさが演出されており、とても満足のいく仕上がり」としている。
今回、"機内"という特別な環境で提供する商品を開発したエヴァン氏。「スペースに限界があり、動きも制限される機内はどうしてもイライラしやすい状況にある。そこで、ショコラは通常より少しやわらかめのテクスチャーにしており、また、スパイシーさやフローラルな香り……といったように、官能に訴える味わいでリラックスできるよう心がけました」と開発のポイントを教えてくれた。
さらに、サービス開始前の1月某日、JAL乗務員を集めてのセミナーが開催され、なんとエヴァン氏自ら解説。視察に訪れた産地の様子やショコラへのこだわり、今回の商品の提供ポイントなどを丁寧に説明する姿が印象的だった。
ちょうどバレンタインデーの2月14日から始まる今回のサービス。JALのおもてなしの心とエヴァン氏のこだわりが詰まったこれらのショコラを心行くまで堪能してほしい。