KDDIは新たな事業戦略として、モバイル事業の新たな成長戦略「スマートパスポート」構想を打ち出した。スマートパスポートにより、auスマートフォン向けのコンテンツサービスに加え、auひかりをはじめとした固定系のサービスとの融合を目指す。「楽しむ、つながる、選べる、始める、それぞれの自由。新生auのこれからの活動に是非期待して欲しい」と同社の田中孝司社長は語る。

田中孝司社長

4種類の「自由」をテーマに掲げる

500本のアプリを独自配信するスマートパス

KDDIの新戦略の柱となるのが「スマートパスポート」構想だ。これは「au ID」をベースに、「auスマートパス」と「auスマートバリュー」という2つのサービスが組み合わさったもので、「オープンで、制約のない世界」であるインターネットをスマートフォンからより便利に使えるようにしようとしている。

au IDをベースにauスマートパス、auスマートバリューを提供し、それぞれの自由を実現する

ベースとなるau IDは、これまでも「au one-ID」として使われていたauサービスで共通して使えるIDだが、その名称を単純に変更したもの。OpenIDをベースにした共通IDの仕組みを採り入れており、au携帯電話だけでなく、auひかりをはじめとしたauサービスのIDとして使われており、サービスをまたがって共通IDとして利用される。

購入したコンテンツなどは、端末ではなくIDに紐付けられるため、機種変更をしてもIDが同じならコンテンツは継続して利用でき、IDが同じ複数の端末があっても、追加料金なしでコンテンツを利用できる。家族や友人とシェアをすることもできるようになるという。加えて、携帯、auひかり、au Wi-Fi SPOTなど、KDDIのネットワークサービスもau IDの共通IDで利用できるようになる。

au IDを使えば機種をまたがってコンテンツを継続利用できる

コンテンツをシェアすることもできる

ネットワークも自由に選択できるようになる

このau IDの特徴は、au携帯電話の利用料金と合算してコンテンツ料金の支払いができる「auかんたん決済」に対応することができる点だ。コンテンツ料金支払いにauかんたん決済を利用することで、携帯ユーザーがより手軽に料金支払いができるようになる。ほかのプラットフォームでは、アップルやグーグルのいずれも、クレジットカードの登録が基本的には必要になるが、それが不要になることが特徴だ。