北米市場向けポータブルAV強化、ネット中継対応Bloggie登場

ポータブルAV関連で北米市場に特徴的なポイントとして、俗に「MP4カメラ」などと呼ばれる製品の需要が大きいことが挙げられる。ソニーでは「Bloggie(ブロギー)」ブランドの製品がこのカテゴリに相当する。日本では動画を撮影する際、ほとんどのユーザーは本体のサイズが少々大きくとも、高画質で光学ズームなども利用できる「ハンディカム」ブランドのカメラを選ぶのに対し、北米ではよりカジュアルに動画を撮影可能で、撮影後にはデータを簡単に「YouTube」などにアップロードできるBloggieの人気が根強いという。

Wi-Fiに対応したMP4カメラ、Bloggie Live「MHS-TS55」

今回、そのBloggieに初のライブストリーミング対応モデル、"Bloggie Live"「MHS-TS55」が登場した。Wi-Fi通信機能を内蔵しており、例えばパーティーの様子などをリアルタイムで遠方の友人などに見せることができる。動画配信のプラットフォームとしては「Qik(クイック)ビデオ」に対応。ライブ動画の配信サービスとしては「Ustream」がよく知られているが、Ustreamはユーザーの番組を広く多くの人に見てもらうことを想定したサービスであるのに対し、Qikビデオは家族や仲間内での使用に適したサービスとなっており、あらかじめ登録したグループ内に対し、ビデオの配信開始をSMSで通知する機能などを備えている。

ビデオを見るだけならユーザー登録等は不要で、Flash Player対応デバイスではFlash Videoとして、「iPhone」ではQikビデオアプリを利用して視聴できるので、相手には配信URLを伝えるだけで、ほとんどのインターネット対応機器でライブ動画を再生できる。また、視聴中の動画に寄せられたコメントはBloggie Liveのディスプレイ上にも表示されるので、動画とテキストを利用した双方向のコミュニケーションが可能。

動画の配信プラットフォームとしてはQikビデオを採用。再生側にはURLを伝えるだけで、ユーザーアカウントの取得などをしなくてもリアルタイムで映像を配信できる

ビデオカメラとしてはフルHD解像度での記録に対応しているので、ストリーミングではモバイル回線に適した品質で配信し、本体のメモリには保存用に高解像度の映像を残すことができるのもメリット。最近ではノートPCやスマートフォン1台でも外出先からのライブ配信を行えるが、この点は専用カメラならではの特徴となっている。

8GBの内蔵フラッシュメモリを搭載し、価格は250ドル。北米市場ではCESでの発表と同時に販売を開始したが、現在のところ日本市場への提供予定はないという。

そのほか、日本では既に発売されている、バランスド・アーマチュア型ヘッドフォンを北米市場にも正式投入。中でも、コード途中のコントロールボックスがないノイズキャンセリングヘッドフォン「XBA-NC85D」を、ドライバーユニット、マイク、ノイズキャンセリング回路すべての小型化により実現した新製品として前面に出し紹介していた。

小型のドライバーユニットを自社開発したバランスド・アーマチュア型ヘッドフォン製品群を北米でも本格投入

コントロールボックスレスのノイズキャンセリングヘッドフォン「XBA-NC85D」

プロジェクター機能内蔵ハンディカムのラインナップも拡充。ハイエンド機種はより明るい投影が可能になったほか、普及価格帯の製品にもプロジェクター機能を搭載

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