平戸観光で外せないのが教会めぐり。平戸は1550年にフランシスコ・ザビエルが入港した場所であり、今も信者が多く、キリスト教文化が色濃く残る。平戸ザビエル記念教会は、昭和6年設立と比較的新しい建物ながら、街を見下ろすように凛と立つ姿が美しく、観光客にも人気の教会だ。平戸港を望む小高い丘から寺院の瓦屋根と平戸ザビエル記念教会の尖塔が隣り合うように並ぶ光景は、キリスト教文化と仏教文化が共存する街の象徴としても知られている。
ロマネスク様式の赤レンガが美しい田平天主堂(田平教会)は、大正6年築の歴史ある教会。司祭館や門柱、石段、石垣などが残りあたりは静謐な雰囲気が漂う。外側はレンガ造りだが、内部の壁や柱などの装飾は木製で、人のぬくもりを感じることができるこぢんまりとした空間だ。
宝亀教会は、絵本から抜け出たようなかわいらしい外観で、礼拝堂にはステンドグラスから色とりどりの光が差し込む。明治31年~32年に完成したといわれる建物は、洋風の建築様式に漢字の表記が描かれているのも面白い。
現在、長崎県では長崎県の教会群とキリスト教関連遺産(田平天主堂、宝亀教会などが含まれる)の世界遺産登録を目指している。平成19年には世界遺産暫定リストに登録されている。
歴史あふれる平戸の街をそぞろ歩き
平戸港を中心とする徒歩圏内に観光スポットが連なる平戸の街は、ぜひのんびりと歩いて回りたい。街の周辺には様々な時代の歴史が層を成すようにして集まっており、古い街並みや景観をいかしながらきれいに整備された散策路は初めて平戸を歩く観光客にも歩きやすい。平戸城が目の前に見える場所に設置されたベンチ、無料の足湯など、休憩スポットに事欠かないのもうれしい。
街には平戸藩松浦家の所蔵品を展示する松浦史料博物館、ポルトガル貿易時代に伝わった南蛮菓子を再現・販売している地元の老舗菓子店「蔦屋」など、見逃せないスポットが点在している。夜になると街を見下ろす平戸城がライトアップされ、幻想的な光景を楽しめる。