アナログテレビ放送跡地の電波を使ってモバイル端末向け放送を行うmmbiは、2012年4月のスマートフォン向け放送局「NOTTV(ノッティーヴィー)」開局に向け、新たに株主11社を得て資本金を増強、サービス立ち上げに向けて準備を進めている。NOTTVは、月額420円でリアルタイム型、蓄積型の2つの放送サービスを提供。インタラクティブ性を前提にした「通信と放送の連携を大テーマ」(mmbi・二木治成社長)とした番組を制作していく考えだ。

NOTTVの主な特徴。リアルタイム型の放送と蓄積型の放送を提供。電子書籍やげーむなどのデジタルコンテンツの配信も予定している

UIは、3チャンネルをフリックで切り替えられ、素早く放送を視聴できるようになるという

NOTTVは、「ワンセグの10倍の画質」(同)という高画質な動画コンテンツを提供できる放送サービス。320×240ドット・15fpsのワンセグ放送に対して、NOTTVのコンテンツのリアルタイム型放送では720×480ドット・30fpsという高画質で提供可能。深夜にコンテンツをスマートフォンのmicroSDカードに配信してローカルで再生する蓄積型放送であれば、1,920×1,080ドット・60fpsのフルHD放送を提供することができる。月額料金は420円だが、通販番組で通常の価格よりも420円引きの商品を提供することで、実質的に月額料金を相殺するような施策も考えている。

実際の放送のデモ。対応端末では、「恐らくホイップ式のアンテナで受信するようになる」(mmbiの説明員)という

タブレットにも対応。ソーシャルメディア連携機能も搭載している。なお、当初高層の東京スカイツリーから、アナログテレビ放送よりも大出力で電波を吹くため、屋内浸透率はよく、ビル影でも視聴しやすくなる見込みだという

番組一覧

番組表はラテ欄形式

サービス開始当初は、3チャンネルで放送を行う予定。1チャンネルはリアルタイム型放送で、主にオリジナル番組を配信。「生放送との相性が抜群」(mmbi小牧次郎常務取締役)のソーシャルメディアと連携した番組などを放送する。このほか、フジテレビと共同制作のラブストーリー、音楽やスポーツ、ニュースなどの番組を配信。BS/CS番組を、放送に合わせて同時配信するといった番組も用意する予定だ。

NOTTV普及には3つのキーがあると二木社長。低廉な利用料金とサービスエリアの早期構築、対応端末の早期普及の3点

利用料金では、月額420円を設定した。プレミアムコンテンツでは、月額料金の追加、ペイ・パー・ビュー式など、さまざまな追加料金プランも検討しているという

昼間は3チャンネルを使い、深夜は蓄積型放送向けに1チャンネルを使用する形になる

BS/CSのさまざまな番組も放送する予定

2チャンネルでは、1チャンネルの再放送を行うほか、月額料金にプラスした料金のプレミアム番組を放送。3チャンネルは、24時間のニュースコンテンツを配信する。視聴したいニュースをすぐに確認できるウィジェットも提供するとしている。3チャンネルでは24時間ニュースを配信するため、災害時の安否情報や計画停電の情報なども随時チェックできる。

蓄積型放送では、深夜帯に3チャンネルのうちの1チャンネルを使って配信。例えば映画の予告編を毎週更新で配信することで、地下鉄内で電波が入らないような場合にも、ローカルの予告編を見ながら見たい映画を選ぶといった使い方が可能だという。なお、リアルタイムの番組でも、蓄積型でデジタルコンテンツを配信することが可能。

今後も、メジャースポーツ、ライブコンサートなど提供コンテンツは増やす方針で、株主のフジテレビや日本テレビ、TBSといったテレビ局などと番組を制作していくとしている。