店員さんは注文をとったり料理を運んだりしながらお客さんと気軽に会話し、お店全体を盛り上げていく。それなりに広い店内ではあるが、店員さんの元気の良い話し声はどこにいても耳に入ってくる。またテーブル席の他に、店内中央にはカウンター席があり、たまたま隣になったお客さん同士が仲良くなることも日常茶飯事なのだという。
これはもちろんお酒の力もあるだろうが、外界から完全にシャットアウトされた不思議な空間、そして何よりもそこで出迎えてくれる"男の娘"という存在の非日常感が、お客さんの心にある枷を取っ払っているのだろう。
くりーむ…から……アゲ??
そんなことを考えつつ、料理と飲み物を注文してみた。「NEWTYPE」のメニューは非常に豊富で、居酒屋での勤務経験を持つぽちさん曰く、「特にお酒に関してはそのへんの居酒屋よりはるかに豊富にそろっている」のだという。
今回注文したのは、ジントニックと、ぽちさんオリジナルのカクテル。食べ物は「豚しゃぶサラダ」と「オムライス」。そして「カオスメニュー」と呼ばれる「NEWTYPE」オリジナル料理から「クリームからage」だ。
ジントニックと豚しゃぶサラダ、そしてオムライスに関しては非常においしく、またボリュームも満点(このボリューム感は"男の娘"ならではの感覚かもしれない)だ。
……問題は「クリームからage」である。こいつは鶏の唐揚げに生クリームをかけた料理であり、実は甘くない生クリームを使っているとかそういうカラクリも一切なく、ごく普通の鶏の唐揚げをごく普通の生クリームでいただくという、まさに「カオス」な一品なのである。
「これが一番人気なんですよ! オススメですよ!! 」というぽちさんのトークに背中を押されるようにして注文してみたが、いざ目にしてみると味の想像がつかず、口に運ぶのを躊躇してしまう。
しかし一番人気と言われては、それをレポートすることが記者の役目。ええい、ままよ! とばかりに唐揚げにたっぷりと生クリームをつけ口に放り込むと……。
あれ? ……おいしい。
驚くなかれ、美味しいのである。まず生クリームの甘さが口に広がり、その後からジューシーな唐揚げの旨みが混ざり合い、非常に濃厚で複雑な美味しさが口内を駆け巡る。考えてみれば唐揚げを甘辛いタレで食べることはよくあることだし、そもそも甘味と唐揚げは好相性なのかもしれない。……と強引に自分を納得させてみたが、やはり釈然としない。何だか狐につままれたような気分になってしまった。皆さんも「NEWTYPE」に行かれたら、ぜひこの「クリームからage」を試してみていただきたい。
そんなこんなで料理とお酒とトークを楽しんでいるうちに、あっという間に時間は過ぎていった。皆さんも秋葉原の夜を楽しむなら、「NEWTYPE」でリアル"男の娘"と過ごしてみてはいかが?