"男の娘"と書いてオトコノコ
時代は"男の娘"である。
上の見出しを見て、「"男の子"じゃないの? 」とか「"女の娘"の表記ミスじゃないの?? 」などと疑問をお持ちの方はよもやおられないと思うが、念のため解説しておこう。"男の娘"とは、"男の子でありながら美少女のような可憐な容姿を持ったキャラクター"のことであり、要するに"女装した少年"のことなのである(ちなみに男の娘の要素として重要のは容姿のみであり、内面やセクシャリティは問わないのが一般的だ)。
これまでは二次元、すなわち創作作品に登場するキャラクターについてのみ使われる言葉だったが、最近では現実の女装男子に対しても使われるようになり、"男の娘"という呼称もずいぶん一般化した感がある。
そんな"男の娘"ブームに先駆けて、2009年5月にオープンした"男の娘カフェ&バー"が秋葉原にあると聞き、さっそく行ってみることにした。
二次元ではもはや存在が当たり前となった男の娘だが、実際に現実社会で出会うことはほとんどない。果たしてどんなお店なのだろうか……。
そのお店、「NEWTYPE」の場所は東京・秋葉原駅より徒歩7分、末広町駅からなら徒歩1分。周辺にはパーツショップや同人ショップ、メイド喫茶が立ち並ぶという、まさに「ザ・秋葉原」といった場所に位置していた。
ビルを見上げると、「NEWTYPE」がある3階には「LittleBSD」という文字が。このビルには3階・4階にコスプレ居酒屋「小悪魔の宴 LittleBSD」というお店が入っており、「NEWTYPE」はその3階に店舗を構えて営業を行っているのだ。
おそるおそる扉を開けると、店員さんが元気よく出迎えてくれた。もちろん全員がリアル"男の娘"である。着ているのはメイド服、見た目は女の子。だが男だ。
今ならオカリンの気持ちが少しだけわかる気がする……そんなことを考えながら席に着くと、店員さんの一人、ぽちさんが色々とお店の説明をしてくれた。
「NEWTYPE」は月・火以外の水曜~日曜に営業しており、時間は金・土が23時~29時で、それ以外の曜日は18時~23時となる。カフェ&バーではあるが、昼営業のメイド喫茶とは異なり、どちらかといえばお酒と料理を楽しむレストランバーに近いと言えるだろう。
店員さんは20名で、通常は毎日6名ほどが出勤している。誰がお店にいるかは公式サイトのスタッフボイスでチェックしよう。なおチャージはファーストドリンクつきで1,300円。ポイントカードでポイントを溜めると「階級」が上がっていき、チャージ料金が安くなっていくというシステムだ。
あっという間に満席に
そうこうしているうちにお客さんが次々に来店し、瞬く間にお店がいっぱいになった。実はこの日は取材ということでオープンの18時ぴったりにお店に入ったのだが、説明を受けているうちにすぐに満席になってしまったのだ。
そのお客さんがまたバラエティに富んでいて、見た目も性別も年齢も本当にバラバラ。コンセプトカフェでは客層が偏りがちだが、「NEWTYPE」にはそれがないのが印象的だった。聞けば男女比はおよそ6:4で女性の方が多く、時には男の娘もお客さんとして来ることがあるという。これは"男の娘カフェ&バー"ならではだろう。