8日、Firefox 8と同時に「Thunderbird 8」がリリースされた。本稿では、新機能の紹介とともに、Thunderbirdの「Priority Switcher」アドオンを紹介したい。まずは、Thunderbird 8の新機能であるが以下となる。
- 新しいMozilla Gecko 8エンジンを搭載
- 外部プログラムによってインストールされたアドオンは、ユーザが明示的に選択しない限り無効化
- 各種検索機能のキーボードショートカットを変更
- 添付ファイル一覧のアクセシビリティを改善
- フォルダペイン切り替えボタンを削除(必要な場合はFolder Pane View Switcherアドオンで代用できる)
これ以外にも、安定性を改善するさまざまなバックエンドの修正も行われた。では、実際に、Thunderbird 7にいくつかアドオンをインストールして、その状態から8へアップデートしてみよう。メニューの[ヘルプ]→[Thunderbirdについて]から[ダウンロードした更新を適用]をクリックする。
再起動するとアドオンの確認が行われる(1回限りである)。
図2で、もし外部プログラムからインストールされたアドオンがあった場合、無効化される。もちろん、この時点で有効にすることもできるし、あとでアドオンマネージャから有効化することも可能である。Firefox 8同様に、不必要なアドオンやインストールした覚えのないアドオンもあるだろう。そのようなアドオンをチェックすることが目的である。図2で完了をクリックすると、Thuderbird 8が起動する。
外観に大きな変更点は見られない。今回のバージョンアップで、対応されたセキュリティ問題は、以下の通りである。
- NoWaiverWrapperを通じたコード実行[最高]
- Intel GPUを統合したMacにおけるクロスオリジン画像抜き出し[高]
- CanvasとWindows D2Dを用いたクロスオリジンデータ抜き出し[高]
- Firebugを使ったプロファイリング中に生じるメモリ破壊[最高]
- さまざまなメモリ安全性の問題(rv:8.0)[最高]
- Shift-JISを用いた潜在的なXSS攻撃[高]
重要なレベルのセキュリティ対策が施されている。繰り返すが、高速リリースに移行し、今後セキュリティバージョンアップは行われない(7.0.2といったバージョンはリリースされない)。メールソフトは、万が一、脆弱性を悪用されると被害も拡大しやすい。すみやかに、アップデートをしておきたい。また、同時にスケジュール管理機能を備えたThunderbird用アドオンLightningの正式版も公開された。カレンダーでありながら、自分のスケジュールや重要なイベントの整理、複数のカレンダーの管理、毎日のタスクリストを作成、友人や同僚をイベントやミーティングへ招待、一般に公開されているカレンダーを購読したりすることも可能である。これまでも多くの支持を集め、Thunderbirdとの親和性も高いものとなっている(機会があればこちらも紹介したい)。
図4 Lightning |