Mozillaは、11月8日にFirefoxの新バージョンとなるFirefox 8をリリースした。今回のバージョンアップでは、以下の新機能が搭載された。
- 外部プログラムによってインストールされたアドオンは、ユーザーが明示的に選択しない限り無効化
- 起動後にアドオン選択ダイアログが一度だけ表示され、以前にインストールしたアドオンを管理可能
- 一部の言語版の検索バーにTwitterを追加
- タブを選択時に読み込む設定を追加
- タブを移動、並べ替え、切り離ししたときのアニメーション効果を改善
- audio、video要素を使ったときのパフォーマンスとメモリ処理を改善
- WebGLの クロスドメインテクスチャがCORSに対応
- HTML5コンテキストメニューに対応
- insertAdjacentHTMLに対応
- 多くの言語でCSS hyphensの対応を改善
- WebSocket対応を改善
これら以外にも安定性やセキュリティ問題の修正が行われた。ここでは、Firefox 7.0.1にいくつかアドオンを入れた状態で、アップデートを行ってみたい。これまで通り、メニューから[ヘルプ]→[Firefoxについて]で、[ダウンロードした更新を適用]をクリックする(図1)。
8の起動後、アドオンの確認が行われる(図2)。
見てわかるように、ユーザ自身がインストールしたものか、外部プログラムがインストールしたものかがすぐにわかる。この例では、セキュリティ対策ソフトのWebサイトの安全性を事前に確認するためのアドオンが外部プログラムからの指示でインストールされている(そして、無効化されている)。このように、外部プログラムがインストールをするアドオンは少なくない。さらに、アドオンマネージャから削除できないといったアドオンも存在する。このようなアドオンであるが、ユーザーの知らないうちにインストールされることも多い。なかには、どういう機能かすらわからないアドオンもあるだろう。この時点で、そのアドオンの素性が判明し、使用を継続するのであれば、図3のように、[維持]にチェックを入れればよい。
もし、いつ、どのような目的でインストールしたのか不明であれば、とりあえず図2のままにして、[完了]をクリックする。図5のように再度、確認のメッセージが表示される。
もちろん、アドオンマネージャから、有効にすることもできる。
もし、その内容が不明であれば、アドオンマネージャの[詳細]などから確認してもよいであろう。ついで、タブを選択時に読み込む設定であるが、[オプション]→[一般]タブで、[タブが選択されるまでページを読み込まない]が追加されている。これは、起動時動作を[前回終了時のウィンドウとタブを表示する]にした場合にのみ設定可能となる。
多くのタブを開いた状態で再起動する際に、効果的であろう。次に、HTML5コンテキストメニューであるが、アルクネットワークスが提供する「英辞郎 on the WEB」で体験できる。複数の単語を選択し、右クリックすると、さらに検索のメニューが追加される。
最後に、WebGLの例を紹介しよう。これはGoogle Mapsの新機能「MapsGL」で体験できる。
これまでと比較すると、建物が3D表示され、より滑らかに画面操作が可能となる。アドオンなどでも、利用されるようになってきた。今後、より豊かな表現力が実現するだろう。一方で、ややハードウェア要求などが高いので、注意してほしい。
気になるアドオンの互換性
高速リリースに移行してから、つねに気になるのはアドオンの対応である。アドオンの開発側でも高速リリースに移行してから、必ずしもバージョンアップに対応しきれていないという状況もうかがえる。Mozillaでも、アドオンの互換性に関しては、アドオン互換性センターで随時、対応状況などを報告している。
図9 アドオン互換性センター |
ここでは、利用数の多い順に、どのバージョンのFirefoxにまで対応しているかを調べることができる。現在は、開発の最新版であるバージョン10までが掲載されている。Mozillaによれは、正式なリリースとなるバージョン(今回でいえば8)では、90%以上が対応しているとのことである。しかし、実際のイメージはどうか?高速リリースになってから、動作しないアドオンに遭遇したことのある方は少なくないと思う。その原因の1つに、単純なバージョンチェックがある。アドオンの側で対応するFirefoxのバージョンを定め、もし、それに適合しない場合には、動作しなくなるというものである。また、アドオンによっては、開発を中止してしまったものもある。そこで、バージョンチェックなどを回避する方法を紹介したい。ただし、あくまでもバージョンチェックを回避するだけで、100%の動作保証をするものではない。その点に注意してほしい。