Fedora Projectでは Fedora 13より試験的ではあるがBtrfsを正式にサポートした。BtrfsとはOracle社によって開発されているLinux向けのファイルシステム。Linuxユーザに対してスケーラビリティで高信頼のファイルシステムを提供できることを目標としており、Linuxの次世代ファイルシステムと目されている。

LinuxカーネルのBtrfsへの対応が進んでいることもあり、Fedoraだけでなく、UbuntuやopenSUSE、Debian、Slackwareなど著名なLinuxディストリビューションでもBtrfsを採用している。すでにMeeGoでは標準のファイルシステムとして採用されている。

FedoraではこれまでExt系を標準のファイルシステムとしていたが、Fedora 13よりBtrfsも組み込まれ、標準採用へ向けての開発が行われてきた。

FESCoミーティング(Fedora Engineering Steering Committee)では一時Fedora 16ではBtrfsをデフォルトのファイルシステムにするという情報もあったが、Fedora 16ではBtrfsの標準採用は見送られ、引き続きext4が標準のファイルシステムとなった。

Fedora 16ではLiveCDでもBtrfsを利用できるようになった。Fedora 15ではシステムをBtrfsで構築したい場合、DVDでしか行うことができなかった。Fedora 16ではLiveCDからインストールする場合も、パーティションのカスタマイズでBtrfsを選択できるようになっている。もちろんインストールDVDでもパーティションのカスタマイズでBtrfsを選択できる。

LiveCDのインストーラでもBtrfsを選択可能

クラウド対応が強い印象

Fedora 16は劇的な変更が行われてはいないが、クラウドや開発環境周りなどのサポート強化を行ったという印象が強い。また、デスクトップ周りの大きな変更点はないが、GNOME 3.2を採用しているため純粋に3.2の新機能を試すには良いのではないだろうか。

Linuxの次世代ファイルシステムといわれているBtrfsのデフォルト採用が取りやめられたことは残念だが、LiveCDでもBtrfsを選択できるようになったことなどから標準採用をあきらめていないことがみてとれる。次期リリースであるFedora 17での導入を新たな目標としており、標準標準採用への道は近い。

Fedora 16は11月8日(現地時刻)に正式リリースされる予定だ。