Thunderbolt Displayにはノートブック用の電源アダプタも搭載されており、MacBook ProやMacBook Airに付属するAC電源アダプタがなくてもディスプレイ経由で電源を供給することが可能。そのためディスプレイにつなげて使う際は、ノートブック付属の電源アダプタは無用の存在となる。自宅でThunderbolt Displayを使っている場合、ノートブック付属の電源アダプタを職場に置いておけば通勤時に電源アダプタを持ち歩かなくてもすむ。毎日、通勤にノートブックを携帯している人には、かなりうれしい仕様なのではないだろうか。

MacBook ProにThunderbolt Display内蔵のMagSafe電源アダプタとThunderboltコネクタを接続したところ。いずれも脱着が容易なので、非常にズムーズに接続できる

ちなみにThunderbolt Displayのノートブック用電源アダプタは、マグネットで吸着するMagSafe式になっているため、軽く接続部を合わせるだけで簡単にMac側に装着できる。Thunderboltケーブルも脱着が非常に容易なので、機器同士を配線する際のめんどうな手間を大幅に削減することが可能だ。

実際に使ってみて感じたのは、「つなげるケーブルが減るだけで、こうも使い勝手がよくなるのか」ということ。従来のLED Cinema Displayに比べてUSBケーブルを接続する手間が減っているだけにもかかわらず、使用感は大幅にアップした。とくにディスプレイのハブにFireWire 800やギガビット対応有線LANが搭載されたのは大きい。これらのインタフェースが搭載されていないMacBook Airでも、ディスプレイにつなげるだけでFireWireハードディスクや有線LANを使用できるようになるからだ。ノートブックのフタを閉じた状態で外部ディスプレイを使うリッドクローズドモードにすれば、まるで一体型デスクトップのようなスマートな使い勝手が実現できる。

MacBook Proをリッドクローズドモードでつないで使用しているところ。一体型デスクトップを使っている感覚でノートブックを使用できる

ただし、使用にあたって注意しておきたいこともある。ひとつは、本機に対応するMacが非常に限定されているということ。具体的には、Thunderboltに対応するMacでしか使用することはできない。Thunderboltとコネクタ形状が同じMini DisplayPort搭載のMacは、OSのバージョンが本機の推奨条件を満たしていても利用することはできない。実際にMini DisplayPortを搭載するMacBook Airをつないでみたが、当然のようにディスプレイに映像は表示されなかった。

もうひとつは、画面位置の調節が限定されていること。前後へのチルトは可能だが、高さを変えることはできないため、使用環境によっては使いづらいと感じる場合もでてくるだろう。

もっとも、それを考慮しても使い勝手はよく、Macの外部ディスプレイとしてはベストのひとつといってよい。とくにノートブックとの相性は最高だ。

デュアルディスプレイ環境で使う場合は、システム環境設定でメニューバーを表示させる方をどちらにするか、ドラッグ&ドロップで決めることができる。ミラーリングの設定もここで行える(なお、今回はMac OS X 10.6.8の環境で使用しているため、Mac OS X Lionでは設定画面が多少異なる場合がある)

ディスプレイ側には輝度調節ボタンなどは搭載されていない。輝度を調節したい場合は、システム環境設定かキーボードの輝度調節キーを使用する