写真なしの紹介状、その狙いとは
――コンタクトまでの流れを教えてください。
「コンシェルジュがデータマッチングで条件と一致する方を探します。そこからさらに、人柄や相性を見て、マッチする方を探していきます。お相手が見つかると紹介状を渡すのですが、ここには写真が添付されていません。これも当社の大きな特徴の1つですね」。
――写真がないとは驚きです。その理由は?
「人は、どうしても外的条件でその人のことを判断しがちです。せっかく人柄や相性がいいのに、それに目を向けずに断っていてはいいチャンスも逃してしまいます。また、他社の場合は本人のデータ以外に家族の年収や仕事内容までビッシリと紹介状に書かれているケースが多いのですが、弊社では本人の学歴や年齢、年収など、データは必要最低限に抑え、その分コンシェルジュからの推薦文をしっかりと載せています。条件面を書きすぎてしまうと、内面に目が行かず、その条件だけで判断してしまいます。それを避けるために、このような紹介状にしています」。
――結婚情報サービスは、「入会後しばらく経つと、条件に当てはまらないような人を無理やり紹介される」という声も聞きますが、パートナーエージェントはいかがですか。
「当社は逆です。コンシェルジュが会員様を理解していくにしたがって、より精度の高い紹介が可能となります。ですから、コンタクト→コンタクトの結果検証→活動の見直し→次回コンタクトへ向けての準備、といったサイクルを繰り返すほどに、より理想のお相手を紹介することができます」。
――ISO9001も取得していらっしゃいますね。
「ISO9001取得企業は主に製造業が多いと思います。工業製品がマニュアル通りに製造されているかを確認し、継続的に改善も行っていくため、製造工程を繰り返すほど品質が上がっていく。これはそのままコンシェルジュの会員様への対応にも当てはまります。コミュニケーションを重ねて内面を理解し、コンタクトの結果検証といったフィードバックも活かすので、回を追うごとに精度の高い紹介となるわけです」。
※ISO9001とは……
品質マネジメントシステムに関する規格。認証取得企業の製品やサービスの品質保証を通じて、顧客の満足度向上や品質マネジメントシステムの継続的な改善をするための国際規格となっている。
――1年間婚活をする、と一口に言ってもモチベーションをキープするのが難しい会員もいるのではないでしょうか。
「そうですね、月間2人~4人を紹介していくので、1年で理想の相手を見つけたとしても、最大約50人に断られたり、断ったりするわけです。そのプロセスをコンシェルジュと共に伴走することで確実な成果へ近づきます」。
――お話を聞けば聞くほど、コンシェルジュの役割がかなり大きい気がします。
「もちろんコンシェルジュは会員様を最大限サポートしますが、コンシェルジュに依存しすぎてしまう状態は望ましくありません。英会話と一緒で、会員様本人がやる気になって主体性を持って取り組まないと、よい結果には結びつきません。会員様のモチベーションを高めていくのもコンシェルジュの重要な任務となります」。
コンシェルジュの育成は2年に及ぶ
――コンシェルジュの育成はどのようにして行っていますか。
「入社すると1カ月の研修を受けてもらいます。卒業試験や役員面接をクリアして初めて現場に出ることができます。その後も研修は継続的に行い、1年目の研修時間は合計100時間。入社後24カ月でようやく研修修了となります。現在、コンシェルジュ1人当たり約80名の会員様を担当しています。各会員様の活動状況はパソコンでデータ管理しているため、活動が滞っている方にも適切なアドバイスをすることができます」。
「パートナーエージェント」という名前は、同業他社と比較すると少し異質である。しかし今回の取材を通して、その名前の裏にある想いや願いがひしひしと伝わってきた。成婚率の高さにこだわり、1年以内での結婚を目指す。とにかく成果主義である。目に見えないサービスであるからこそ、結果が全て。その企業姿勢は徐々に広まり認知され、月間500~600名の新規入会があるという。
現在、拠点は東京都内と大阪、神奈川、千葉、埼玉にあるため、活動エリアは関東、関西圏に限られるが、11月には名古屋への進出も決定している。全国展開も「早期に実現したい」とのことで、今後の展開が見逃せない。