3割は結婚できない時代の到来

平成22年版厚生労働白書によると、2010年の生涯未婚率は男性19.1%、女性10.0%。これが2030年になると驚くべき数字になり、男性29.5%、女性22.6%となる。ちなみに生涯未婚率とは50歳時点で一度も結婚をしたことのない人の割合である。

「結婚したい。でも、できない」。そんな世の中になりつつあるのだ。もはや、適齢期になれば自然に結婚できたのは一昔前の話といえよう。そんな背景もあって、数年前から「婚活」に注目が集まってきている。

インターネット上で相手を探すネット婚活やお見合いパーティなど、様々な活動方法があり、さらには結婚情報サービスに入会するという方法もある。しかしながら、結婚情報サービスは入会金や活動費を合わせると年間30万円ほどが必要となり、その料金のわりに成婚率は10%程度と高くない。これでは、「入会する意味がないのでは? 」と考える人も少なくないだろう。

そんな中、成婚率22%、活動1年での交際率は84%とこちらも業界平均の2倍近い実績を誇っている企業がある。パートナーエージェントだ。設立は2006年9月。たった5年の間になぜこれほどの実績を残せるのか。その秘密をパートナーエージェント代表取締役・佐藤茂氏にうかがった。

1年で新しいパートナーと出会い、結婚へ

パートナーエージェント代表取締役・佐藤茂
1973年12月、東京都生まれ。大学卒業後、学生時代からアルバイトをしていたインターネット広告会社に就職。その後、大手結婚情報サービス会社に入社し、取締役に就任。退職後、2006年9月にパートナーエージェント設立。現在会員数は約4,000名で、その内訳は男性42%、女性58%となっている

――成婚率22%と業界平均の2倍以上ですね。

「当社で1年間活動していただいた場合、料金はスタンダードなコースで35万円程度となります(成婚料含む)。これだけの金額をいただいているのに、業界平均の成婚率10%では申し訳がない。今後もさらに成婚率を上げるべく、取り組んでいきたいと考えています」。

――交際率に至っては84%と驚異的なデータとなっています。

「現在、『1年婚活。』というキャッチコピーを掲げています。1年で新しいパートナーと出会い、結婚をするということは簡単なことではありません。しかし当社では、活動3カ月でのコンタクト(お見合い)の確率は99.5%、活動1年の交際率は84%と非常に高く、成婚退会される会員様のうち、60%が活動1年以内にご成婚されているデータがあります。『とにかく1年間、私たちと一緒に頑張ってみましょう』という想いで、このキャッチコピーを謳っています」。

――どうしてこれほどまでに交際率、成婚率が高いのでしょうか。

「その理由としては、コンシェルジュ制が挙げられます。会員様1人1人に専任のコンシェルジュが付き、活動をサポートします。入会するとまずコーチングインタビューを90分とり、ここで基本的なデータに加え、人生のエピソードなどもお聞きすることでその方の人柄や考え方、価値観を探ります。コンシェルジュに客観的に判断してもらうことで、自分では気づかなかった一面を発見することになります。そこから、どういった方がパートナーに適しているかを探っていきます」。

――パートナーに求める条件もそこでヒアリングするのですね。

「そうです。しかし、質問の仕方が特徴的で、"NG条件"から聞きます。誰しも『外見がよくてお金持ちで優しくて……』と理想の条件を挙げればキリがありません。でもそれでは、本当に合う人を逃してしまう可能性があります。そこでこういう聞き方をしています」。

――年収にこだわる方も多いのでは?

「相手に求める年収を聞くと、高いに越したことはないと考え、『1,000万円以上』と答える方も多いです。弊社の場合、年収1,000万円以上が9%、800万円以上は30%と、他社より高収入の会員様が多くはありますが、それでもこの条件だと9%しか該当しません。これではせっかくのチャンスも逃してしまいます。そこで、『どうして1,000万円以上必要なのか』ということを探っていきます。そうすると『高ければ高い方がいいので』や『自分が年収1,000万円なので、同レベル以上じゃないと考え方が合わないと思って……』といった先入観や"なんとなく"という理由の方が意外と多いのです。民間企業で働く人の平均年収は400万円強。そう考えると、年収500万円でも十分な収入といえます。このように、少し考え方を変えるだけで、母集団がグッと拡大するのです」。

――コーチングインタビューで心がけていることは?

「『あなたってこうですよね。だからこうしたほうがいいですよ』と言い方はしません。私たちが直接的に会員様の意識改革をするのではなく、"気づき"を与えるのが大切だと考えています。自分で気づいて変わろうと思うことが一番重要なのです」。