安心してスマートフォンの利用を
続いて、田中社長はユーザーから、「スマートフォンを使っていると、あまりにも(情報の)選択肢があって迷ってしまう」という声を受けたと説明。そこで、情報まとめ系のアプリであるSocketsLIVE、ついっぷるトレンド、NAVERまとめの3アプリを用意し、スマートフォン初心者でもネット上の話題にアクセスしやすいようにすると述べた述べた。
初心者でも使いやすくするとともに、スマートフォンの安全性の向上も狙い、新たに「安心セキュリティパック」の提供も行う。これは、3LMのセキュアプラットフォーム、トレンドマイクロのセキュリティアプリ、OPTiMのリモートサポート機能をセットにしたサービスで、月額315円(12月末まで無料)で提供する。
3LMのセキュアプラットフォームは、AndroidのOSレイヤーに一部手を加え、OSとしてのセキュリティを向上させるもので、法人向けにはフル機能で提供されているが、安心セキュリティパックではリモートロックと端末の位置検索、リモートワイプ機能が提供される。ただし、リモートワイプはユーザーの誤操作を防ぐため、KDDIのオペレータ経由で実行する形だ。
セキュリティアプリとしてはトレンドマイクロのウイルスバスターモバイル for auが提供され、ウイルスの検知、不正サイトへのアクセス規制、Webフィルタリングといった機能を提供。通常のウイルスバスターモバイルと比べて、位置検索など、3LMと重なる機能は省かれているそうだ。NTTドコモはマカフィーのセキュリティアプリを提供しているが、これに対してKDDIはトレンドマイクロと提携した形だ。
遠隔サポートを提供するOPTiMサービスでは、KDDIオペレータ側のPCからユーザーのスマートフォンにアクセスし、画面操作を行ったり、画面に手書き文字を表示するなどして、使い方をサポートする機能。国内携帯キャリアとしてこうした遠隔サポートの提供は初めてだという。
さらに「当たり前のこと」として、緊急地震速報、緊急通報位置通知、緊急速報メール、災害用伝言板を全機種でサポートしたと述べた。EZwebメールなどともに、KDDIがパッケージ化してメーカー側に提供することで、メーカーの対応が簡単になっていることは大きなポイントだろう。
EZwebサービスをスマートフォンにも
これまで、フィーチャーフォン向けのEZweb向けの公式サイトとして提供されてきたサービスをスマートフォン対応した「au oneサイト」も推進していく。10月13日から、まずは200社の500サイトのスマートフォン対応を開始。今後随時拡大を図っていく。「フィーチャーフォン時代のアプリを使いたいという当たり前の要望」に応える形だ。
認証にはau one-IDを使い、有償サイトの場合、auかんたん決済に対応したサイトであれば、au oneポータル画面から簡単にアクセスできるようにする。サービス側の設計次第だが、EZ番号とau one-IDを紐付けることで、フィーチャーフォンの会員情報を移行することもできるようにもなるそうだ。基本的に、EZweb向けと同等の審査も行われるという。
また、KDDIが審査したAndroid向けアプリを配信するau one Marketの機能も拡張。EZwebサイトのau oneサービスへの移行に伴い、au one Marketからもアクセスできるようにする。また、PCで利用できるau one Marketも新設。PCでアプリを検索し、ダウンロード予約やauかんたん決済を使ったアプリ購入も可能。ダウンロード予約をすると、スマートフォン側のau one Marketの「マイアプリ」にアプリが表示されるので、そこからダウンロードする仕組み。一括ダウンロード機能も今後提供したいという。
田中社長は、これまでのキャリア側の「論理を押し付ける」やり方ではなく、ユーザー側が自ら選ぶ時代に来ているとの認識で、キャリアが「その要望に本当に応えられるかどうか、その一点」を重視していく考えだ。