Paragon NTFS for Mac OS Xの開発元であるパラゴンソフトウェアグループは、UFSD(Universal File System Drivers)と呼ばれるファイルシステムドライバー体系を有している。このUFSDは、OS XやWindows、LinuxやMS-DOSなどマルチプラットフォームに対応し、SDKではプラットフォーム非依存のAPIを提供する。このAPIを利用して開発された製品のひとつが「Paragon NTFS solutions」であり、Paragon NTFS for Mac OS Xもその成果物というわけだ。

それだけにParagon NTFS for Mac OS Xの完成度は高く、対応するNTFSのバージョンは1.2/3.0/3.1と、Windows NT 3.1からWindows 7までをカバーしている。今回のLion対応版がバージョン9という点からも、錬成された製品である点はうかがえる。

なにより、OS X標準のファイルシステムドライバ(*.fs)としてインストールされる点に注目したい。他のシステム標準装備のドライバ同様、/System/Library/FileSystemsディレクトリにインストールされることで、HFS Plusなどと同様にFinderからアクセス可能な領域としてNTFSボリュームをマウントできる。

インストールを実行すると、/System/Library/Filesystemsにドライバがコピーされる

/sbinディレクトリには、fsck_ufsd_NTFSやnewfs_ufsd_NTFSコマンドが追加されるので、ディスクユーティリティからも、標準装備のファイルシステムドライバと変りなく利用できる。ハードディスクをNTFSでフォーマットすることはもちろん、NTFS独自のファイル/フォルダ圧縮機能もサポートされている。

ディスクユーティリティからNTFSでディスクを初期化することも可能

今回リリースされたバージョン9は、Lionへの対応をおもな目的としたアップデートだ。64bitカーネルモードでも支障なく動作するほか、最新のBoot Camp環境(v3.2)で作成されたNTFS領域へのアクセスもサポートされている。全般的な動作の安定化も図られたとのことで、感覚的にはNTFSを"ほぼネイティブ"のファイルシステムとして利用できるようになったといえる。