――ぺルソナというゲームでは"もう一人の自分"というのがひとつのテーマになっていると思いますが、収録時に、ご自身の"もう一人の自分"ということを考えたことはありますか?

浪川「僕はもうしょっちゅうですね」
森久保「夜な夜なもう一人の自分が出ちゃう(笑)」
浪川「これがなかなかのペルソナでして(笑)。毎夜毎夜ちがうペルソナが何回も出ちゃうんですよ」
森久保「さすがだね」
浪川「ちがいます(笑)。やはり役を演じているときは、自分じゃないものを演じるわけで、何かが憑依しているようなところもあるので、たまに本当の自分を見失うようなこともけっこうありますね。本当はどんな性格しているんだろうみたいことがたまに……すごく重くはとらえていないのですが、森久保さんなどを見ていると、人生楽しそうだなって思って、やっぱり前向きに生きていかないといけないなって(笑)」
森久保「ちょっと待って。いろいろあるんだよ」
浪川「いろいろあるとは思いますけど(笑)。まあだいたい夜になると、ペルソナ! って言って、和民から魚民まで……」
森久保「民ばっか(笑)」
浪川「って感じで(笑)。まあけっこう考えます、僕は」

堀江「ペルソナって、いわゆる"もう一人の自分"と言うか、コンプレックスから生まれるものなのではと思うのですが、コンプレックスというのはやはり誰にでもあると思うんです。私もいっぱいあって、たとえば運動神経がないところとか(笑)。たまに、『走るのとか球技とか、普通に得意でした』みたいな人がいるじゃないですか。『ああ、そうなんだ』って言いながら、心の中では……」
浪川「負けた感が(笑)」
堀江「何かうらやましい、みたいな気持ちがあったりします。バスケが上手な子とか、本当に当時はうらやましくて。今でもそうですが、そういったコンプレックスのようなものがあるなって思いました」

小清水「人と会っていたときと、家に帰って一人になった瞬間って、やっぱり違いますよね」
浪川「わかるわかる」
堀江「え、違うの?」
小清水「スイッチ切れたみたいに、『自分、今ダメ人間かも』って思う(笑)」
浪川「思う思う。俺はタクシーに乗った瞬間にね(笑)」
小清水「あの瞬間は、どっちがペルソナなのかはわからないのですが、もう一人の自分だなって思いますよね(笑)」

森久保「この作品は、『自分を認めないと前に進めない』というのがテーマになっていると思うんですよ。"なんで、こんななんだろう、俺"とか思うけど、まあしょうがない、これが自分なんだから、これから気をつければいいや、みたいな。そうやって失敗を繰り返していくと、だんだん生きていくのが楽になってきました、僕の場合は。ペルソナっていいなって(笑)。認めるって大事だなって思います。だんだん、タフになっていきますよね。ちょっとやそっとじゃ動じなくなります。今の自分を認めるということ、良いところも悪いところも含めて、自分と向き合うということはすごく大事なことだと思っております」
浪川「いい話」
森久保「それがペルソナです」
浪川「さすが」
一同「(拍手)」

――絵に関しての感想があれば教えてください

浪川「先ほど森久保さんも言ったように、もう全体的におしゃれ感がにじみ出ていますね。キャラクターもそうですし、設定もそうだと思うのですが」
森久保「背景も、ロケハンをされていたりと拘りがあり、イメージを固めて、その世界観を作っていらっしゃるのではないかなって思います」
堀江「あと、曜日のところもおしゃれじゃないですか?」
森久保「カレンダーのね」
堀江「日にちを追いかけていて、何月何日って出るのですが、その曜日のところがすごくおしゃれになっています」
浪川「時間帯とか細かく設定されていて、ガヤなどを録るときも昼帯とか夜帯とか、場所によって雰囲気を変えたりしているんですよ。声のほうも、すごく細かいこだわりがあるんじゃないかなと思います」
堀江「おしゃれですよね」
小清水「おしゃれ」
浪川「しゃれおつですね」
森久保「言い換えただけですね(笑)」

――『ペルソナ4』は友達同士のコミュニケーションや関係性というところも大きなテーマだと思いますが、ペルソナのキャラクターの中で、友だちになったり親友になったりしたいと思うキャラクターはいますか?

浪川「本当に良い子たちばかりなので、誰でも友だちになれそうなんですが、僕が意外と好きなのは完二かな」
森久保「完二、良いよね」
堀江「良い人ですよね」
小清水「たしかに」
浪川「あと、本当に一番良いなと思うのは菜々子」
一同「ああ」
森久保「気が遣える良い子だね」
浪川「みんなもう、喋るたびに『わあ、ええ子やわぁ』って言うぐらい……やっぱり俺、寂しいんですかね?」
森久保「寂しいんじゃないですか?」
浪川「優しさに飢えていますから、僕の場合は(笑)。なので、そういう優しいキャラクターが好きです」

森久保「完二は良いですね。今日の収録もそうだったのですが、町の中では暴れん坊のイメージでも、彼には正義があって、上下とか縦社会とか、そういうものもちゃんと重んじるし、すごく良いやつだなって思います。腕っぷしもあって、頼りがいもあって、礼儀もありますから」
浪川「言いづらいこともはっきり言いますもんね。ちゃんと良いことも言ってくれるし」
堀江「意外と敬語も使いますし」
森久保「ちゃんとね」
浪川「そうなんですよ」

堀江「私はやっぱり千枝ちゃんや雪子ちゃんが良いです」
森久保「良いよね、みんな良いよね。楽しいよね」
堀江「賑やかで、楽しいです」
浪川「一緒にいたら楽しそう」
小清水「私もやっぱり友達にするなら千枝が良いです」
堀江「本当に? 私も雪子が良い」
浪川「やっぱり悠君と陽介君はダメですか……」
小清水「いや、楽しそうだって思いますよ」
森久保「今日も収録をしていて、セリフを言ったあとに、『良いなあ、この4人。楽しいね』ってポロっと口から出ちゃったんですよ」
小清水「学生気分になれますよね」
森久保「うん、なれるよね」
浪川「あと楽しいのは、勝平さんというキャラクターがいるんですけど」
森久保「勝平さんというキャラクターじゃない(笑)。クマ」
浪川「あ、クマか」
森久保「クマというキャラクターをやっている(山口)勝平さん」
浪川「非常に親しみやすい方ですよね(笑)」

――最後に放送を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします

浪川「ゲームのスタイリッシュさを引き継ぎつつ、『ペルソナ4』の原作を楽しんでくれた方にも、アニメから入ってくれる方にも、みんなに楽しんでもらえるようなカッコいい作品です。会話劇も非常に面白い仕上がりになっています。テンポが良いですし、クスって笑えるところもあれば、本当に心が落ち着くと言いますか、優しい気持ちになれるというところもありますので、ぜひぜひ最後まで、半年間お付き合いいただければなと思います。2012年もペルソナ!ぜひ楽しみに待っていてください」

堀江「ゲームを録っているときから、千枝ちゃんという役柄がとても大好きだったのですが、ゲームのときも、『ナチュラルに演じてください』と言うような、今までにない感じでやらせていただいて、自分でもとても印象深いキャラクターだったので、こうしてアニメになってまた千枝ちゃんを演じることができて、本当にうれしく思っています。ゲームをやっていらっしゃらない方も、アニメから見ていただけると、『ペルソナ4』の世界観が全部わかるようになっておりますので、ぜひ楽しんで、最初から最後まで見ていただけたらうれしいなと思っています」

小清水「ゲームの収録をしていたときに、かなりいろいろなセリフを喋らせていただいていたのですが、実はそれは一部であって、音声がつかないセリフもたくさんあったんですよ。アニメでは、そういった部分も演じることができて、とっても楽しいです。これを皆様に見ていただくということで、ちょっとドキドキもしているのですが、原作ゲームのファンの方はもちろん、ゲームをやっていない方にも楽しく見ていただきたいですし、ゲームもやってみたいなって思ってもらえたらうれしいなと思っています」

森久保「ゲームから3年経ちましたが、僕ら自身もアニメ化される日をすごく待ち望んでいました。最初から、ゲームをご存知の方の期待を裏切らない内容とクオリティになっていると思います。実際に演じながら、『ああ、仲間って良いな』とか、『大事にするものってこういうことだよな』とか思いますし、『自分を好きになる』と言いますか、『自分を認める』みたいな深いテーマもあったりします。『明日も頑張ろう』って思える作品だと思いますし、僕らも精一杯やりますので、皆さんも精一杯楽しんでいただければと思います。よろしくお願いします」

――ありがとうございました



TVアニメ『ペルソナ4』は2011年10月よりMBS・TBS・CBCにて放送開始予定。さらに、11月23日からはBlu-ray/DVDのリリースも決定している。注目の第1巻には第1話「You're myself, I'm yourself」のオンエア版に約3分の新規カットを追加したディレクターズカット版を収録。また、Blu-ray/DVDの完全生産限定版には、オープニング&エンディングテーマを収録したCD、TVアニメ『ペルソナ4』のイベント優先販売申込券など盛り沢山の特典が用意される。価格は、Blu-ray (完全生産限定版)が4,200円、DVD (完全生産限定版)が3,150円、DVD (通常版)が2,100円となる。

TVアニメ『ペルソナ4』放送スケジュール

放送局 放送開始日 放送時間
MBS 2011年10月6日 毎週木曜日 25時30分~
TBS 2011年10月7日 毎週金曜日 25時55分~
CBC 2011年10月12日 毎週水曜日 26時00分~
※放送日時は都合により予告なく変更になる場合がある
(C)Index Corporation/「ペルソナ4」アニメーション製作委員会