続いて、スキャン速度と画質を簡単にチェックしよう。使用した原稿はキヤノンの「ImageFORMULA」カタログで、A4サイズの24ページ(12枚)だ。事前に中閉じのホチキス針を外し、用紙の折り目で切り離して「A4サイズの両面原稿」としている。計測はストップウオッチの手動計測で、1枚目の原稿の給紙が始まってから、12枚目(最後)の原稿が排紙されるまでのタイムだ。ちなみに、カタログ値でのスキャン速度は、A4サイズの両面原稿を200dpiでカラースキャンした場合、最大50面/分となっている。
Capture On Touchの設定は、OCRを有効にして透明テキスト付きPDFファイルで保存だ。カラースキャンは高解像度になるほど処理時間も長くなるが、グレースケールのスキャンはは300dpiまでほぼ同タイム。紙送り処理を含めて、約29秒というのはまったくタイムラグのない状態だ。JPEG保存ではOCR情報を付加できないが、スキャン速度は透明テキスト付きPDF保存と同じ傾向。そこから考えると、透明テキスト付きPDF保存のOCR処理がかなり速い。この点もDR-C125の大きな特徴といえるだろう。
透明テキスト付きPDF保存 | JPEG保存 | |||
---|---|---|---|---|
カラー | グレースケール | カラー | グレースケール | |
150dpi | 29秒1 | 28秒9 | 29秒1 | 29秒3 |
200dpi | 33秒7 | 29秒1 | 29秒2 | 29秒2 |
300dpi | 48秒4 | 29秒1 | 45秒6 | 29秒2 |
400dpi | 2分13秒8 | 46秒6 | 2分11秒4 | 42秒7 |
画質については、基本的にスキャン解像度なりといったところだ。150dpiは全体的にどこか眠たい感じでシャープさに欠ける。200dpiだと文字はシャープになるものの、小さめの写真やグラフィックスは若干のぼんやり感が残る。300dpiになるとかなりクッキリはっきりするが、ファイルサイズが大きくなってしまう。原稿に使ったImageFORMULAカタログ(12枚、24ページ)の場合、透明テキスト付きPDFファイルで保存した容量は、150dpiで約8.6MB、200dpiで約15.5MB、300dpiで約30MBだ。また、輪郭の偽色や黒つぶれ/白とびなどは皆無に近かったが、150dpiと200dpiのスキャンで多少のモアレが発生する原稿があった。ファイルサイズの面で問題がなければ、300dpiのスキャン解像度を常用するとよいと感じた。
付属アプリケーションも軽く紹介しておこう。「eCopy's PDF Pro Office」は、PDFファイルにテキストや下線などを加えて編集でき、Microsoft Officeとも連携する。Excel形式やWord形式、PowerPoint形式などでもファイル出力できるなど、何かと重宝して使いやすいソフトだ。
名刺管理ソフトは「やさしく名刺ファイリングエントリー3」で、名刺の向き補正やOCRなど一通りの機能は備えており、名刺のデータベース化に役立つ。スキャンした文書を管理するのは「ファイル管理革命Lite」で、スキャンデータにOCR情報を付加して文書検索を行えるなど、検索性の高さが魅力だ。
また、クラウドサービスの「Evernote」とも連携する。スキャンデータがそのままEvernoteへとアップロードされるため、ローカルのHDDに保存するような感覚でEvernoteを利用できる。