J-WAVEで朝の帯番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のナビゲーターを務める別所哲也さん。朝型生活を自ら実践し、ラジオを通じて早起きの楽しみを伝えている。そんな別所さんに朝時間の有効活用法について伺った。

ギリギリの現場入りが集中力を高める――朝のラジオ番組は瞬発力が大事

──J-WAVEで朝の帯番組を担当されるようになって5年経ちました(2006年10月~ 2009年3月『J-WAVE GOOD MORNING TOKYO』、2009年4月~『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のナビゲーターを務める)

別所 : プロのDJでも、ラジオパーソナリティでもない僕が、これほど長く続けられるとは思ってもいなかったので、本当にありがたいですね。リスナーの皆さんやスタッフのおかげです。

──すっかり朝型の生活に馴染んでしまった、とのことですが、普段はどんな朝を過ごされているのですか?

別所 : 朝の番組は月曜日から木曜日の午前6~9時オンエアで、スタジオには遅くとも5時すぎに入る、という生活。なので、スタジオ入りの1時間前には起きるようにしています。当初は目覚まし時計や携帯のアラームをいくつもセットして起きていましたが、いまでは自然に目が覚めるようになりました。寝るのは、だいたい深夜0時くらいですね。早く寝ようと心がけてはいますが、俳優の仕事は不規則な面もあるから、帰宅してなんだかんだで0時くらいになってしまう。ただ、人間の身体の順応性ってスゴイもので、睡眠の質も以前とは変わったように感じます。ストンと深い眠りに落ちて、起床時間になるとサッと目覚める……そういう身体になりました。

──午前6時開始の番組で、スタジオ入りが5時すぎ。あまり余裕がないようにも感じますが

別所 : 僕はわりと、短時間で効率的にスタンバイをするのが好みなんです。そのほうが集中できる。俳優の仕事でも同じなんですが、早くスタジオに入って本番まで待っていると、どういう心持ちで待っていればいいのかわからなくってしまうんですよ(笑)。J-WAVEの朝の番組も、最初はオンエアの1時間以上前にスタジオ入りして現場の雰囲気に慣れておいて、みたいなことをしていたのだけど、結局、手持ち無沙汰になってスタジオの中をウロウロするだけだったり。

担当するようになってわかったのですが、ラジオの生放送って意外と事前の準備が難しいんです。もちろん、原稿の下読みをしたり、ニュースソースをチェックしたりといった仕込みはきちんとやっておきますが、実際に番組が始まってみると、差し込みのニュース原稿を読むことになったり、交通情報が入ってきたりと臨機応変な対応が必要になることが本当に多い。ゲストも日替わりで、テーマや会話の流れもいろいろ。だから、状況に応じた瞬発力が大事だったりするんです。

それに、番組を進行するにあたって、僕はリアルタイムの空気感とか、リスナーとのキャッチボールを大事にしたいとも考えている。たとえば、スタジオの窓から外を見て「あ、いま太陽が出てきましたね!」「今日は厚い雲が立ちこめていて、東京タワーも上のほうが隠れてしまっています。皆さんのお近くはどうですか?」みたいな生の感覚って大切かな、と。最近はメールだけでなく、Twitterでリスナーの方々からリアルタイムで反応をいただくことが増えてきて、番組内でも触れたりします。だから、事前にあまりに決め込んで、作り込んでしまうと、かえってギクシャクすることにもなりかねない。むしろ、その場に応じた進行ができるような余白感が重要だったりするんです。

──たしかに、別所さんと一緒に朝を過ごしているような親近感が番組に溢れていますよね。「さあ、今日も行きましょう!」とイイ感じでテンションを上げてくれつつ「でも、慌てないで」とさりげなくフォローしてくれるような

別所 : そう感じていただけるのが、いちばん嬉しいです。僕は、リスナーと同じ目線で番組をお届けしたい、という意識がとても強い。「ただいま何時何分です」とタイムスタンプを挟みながら、リスナーと一緒に1日の始まりのひと時を共に過ごして、リスナーと同じように入ってきたニュースに驚いたり、音楽を楽しんだり、ゲストの話に笑顔になったりする……そういう番組になれたらいいなと思って、スタッフと一緒に試行錯誤している感じでしょうか。……つづきを読む