この文字通りの逆転の発想は、「ひっくり返して洗って乾かすことを考えたら、むしろ裏返っている状態こそが通常では?」というコロンブスの卵のようなアイデアから生まれたもの。

さらに裏返した状態に見た目としての美しさを持たせ「快感のオブジェ」と呼ぶそのコンセプトは、なるほどTENGAらしい型破りな挑戦だといえる。

さて、説明が長くなってしまったが、そんな「TENGA 3D」の造形美にインスパイアされた4名のアーティスト――荒木経惟(写真家)、高橋啓祐(映像ディレクター)、椿昇(美術家)、角浩之(フラワーデザイナー)――がTENGA展に作品を展示しており、この日は4名がそろって登壇した。

迫力の4ショット。左から高橋啓祐、角浩之、椿昇、荒木経惟

イベントはまず、松本社長の挨拶からスタートした。「これまでの男性向けアダルトグッズは手に取りにくかった。なぜなら見た目が卑猥だからです」と述べた松本社長は、「そこでホールの造型とはどうあるべきか考え、内部がむしろ外観であるという発想がTENGA 3Dに彫刻のような美しさをもたらしてくれました」と今回の「TENGA 3D」のコンセプトを解説。「私たちはこれをアート作品とすら思い込んでいます」とその完成度に自信をのぞかせた。

やや緊張気味だった松本社長

続いて4人のアーティストがそれぞれ自身の作品について、制作のきっかけやコンセプトなどについて語った。

角「TENGA 3Dを見た瞬間のフォルムを忠実に再現して、わかりやすくしました。いきり立つような植物の葉脈の息吹を荒々しく表現できたらと思って。耳を澄ますと息づかいも聞こえるように」

椿「僕はTENGAって知らなかったんです。ビジュアル的に綺麗だなと思って、それからお話を聞いてから、あ、そうなんだと。表と裏を反転させたのは面白い。アートとしてシンパシーを感じましたね」

高橋「商品を見たときにぷるんとしている何とも言えない身体感覚を映像として表現したかった。日常の写真をベースに、閉ざしていたものが開かれるイメージは、そのままTENGAのイメージ」

中でも写真家の荒木は「アートって今流行ってるけど、TENGAはかなりイイ線いってるよ。他のアートってうるさすぎてつまんないんだよ。(TENGAは)私の思ってるアートに近いね。使いようによっちゃ女性にもいいんじゃないかな(笑)」と絶賛。

すると、ここで荒木が撮影した5人の中から、漫画家の辛酸なめ子とヨガインストラクターの千葉麗子が登場し、それぞれ「女性にとっての手強いライバルなのかなという気がしています」(辛酸なめ子)、「今までのこういう製品ってグロかったけど、TENGAはグロくなくてすごいなと思いました」(千葉麗子)と好意的なコメントを寄せていた。

辛酸なめ子「おしぼりに見えました」

千葉麗子「息子が小学6年なんですが、そろそろ目覚める時期ですよね。まあ使わせないですけど(笑)」

TENGAをべた褒めする千葉に「(TENGAを)2本持ちたくなったんじゃないの?」と荒木

TENGA展は8月5日(金)~7日(日)の11:00~21:00(最終日は18:00まで)、原宿「b6 JINGUMAE STUDIO」にて開催中。

4人のアーティストの個性的なアート作品、そしてTENGAの新たな革命的アダルトグッズをその目で確かめに行こう。

全員の手にあるのがTENGA。言われなければとてもアダルトグッズには見えない