持った瞬間、まず抱いたのは「重い!」という感想だ。「SideWinder」のように、細かいマウス移動が必要なゲーム向けであるのなら分かるのだが、一般用途向けのマウスである本製品がなぜ重いのか。直感力のない筆者にはすぐにはピンと来なかったのだが、その理由は後で分かることになる。その点はさておき、ひとまず試用を開始してみた。
本製品の最大のウリは、マウス表面に搭載されたタッチセンサーでジェスチャー操作が行える点だ。しかもこのタッチセンサーはマルチタッチ対応になっており、使用する指の本数によって利用できるジェスチャー操作が変わるというスグレモノだ。
1本の指の場合、上部前方で上下左右に動かすと画面のスクロール、左側面で右手親指を上から下に滑らせると「戻る」、下から上に滑らせると「進む」となる。
2本の指を使う場合は、上部前方で前後に滑らせるとウィンドウを最大化したり最小化したり元のサイズに戻したりできる。また、2本指を左右に動かすと「Aeroスナップ」でウィンドウを画面の左半分や右半分に配置することができる。
2点検知だけでも大したものだが、本製品は何と3本の指まで認識するのだ。3本指を上に動かすと全ウィンドウの一覧表示が、下に動かすと全ウィンドウの最小化(デスクトップ表示)が行える。
物覚えの悪い筆者は操作を覚えるだけで頭が沸騰しそうだが、これだけ多彩な機能を手元でマウス1つでできるのはすばらしい。ただし、「Aeroスナップ」と書いたことでカンの良い方ならお気付きかもしれないが、残念なことにこのジェスチャー機能はWindows 7上でしか利用できない。また、利用に際してはインターネット経由で最新の「Microsoft IntelliPoint」をインストールする必要がある。
最後になるが、ひとしきり使ってみて、本製品が重い理由が分かった。ジェスチャーを行うために上部のタッチセンサーで指を滑らせた際に、マウス本体が物理的に動きにくいようにする趣旨の仕様なのだ。特に、親指で左側面を下から上に滑らせる場合、軽いとマウスがひっくり返りかねない。理にかなった重さというわけだ。また、青色LEDを用いることで高精度な読み取りが可能な「BlueTrack Technology」を搭載し、読み取り速度は8,000fps、解像度は1,000dpiと、マウス本来の基本性能も良好だ。Windows 7の機能をフル活用したいというユーザーはぜひ利用してみてはいかがだろうか。