CMを自動カットして映像ライブラリを充実させる

録画した番組はライブラリから再生する。DVD/BDドライブがあれば、番組のダビングも可能だ。

「mAgicガイド GT」でライブラリを選択すると録画した番組の一覧が表示される

右クリックメニューから「エクスポート」を選択する。「Direct DiscRecorder for mAgicTV」がインストールされていれば、編集して書き出せる。もちろんダビング10に対応

付属のオーサリングソフト「DiscRecorder for mAgicTV」をインストールしておけば、CM自動検出を利用して不要なシーンをカットしてから、DVD/BDメディアへ書き出すことが可能だ。自動検出にかかる時間は90分の映像で5~10分ほど。CM検出の精度もなかなか正確だ。長時間の番組でもすいすいカットできるのは気持ちがよい。

録画した番組を編集する「DiscRecorder for mAgicTV」。カット編集を行うには、はさみのアイコンをクリックする

「CM自動検出」をクリックするとCMの自動検出が始まる。「CMをマージ」にチェックを入れてCMとプログラム(本編)を分けたあと不要なシーンを選択して「Delete」キーを押して削除する

最後に「書き込み」をクリックしてDVDやブルーレイディスクに書き込む

iPhoneやiPadでハイビジョン映像を楽しむ

iPhoneやiPod touch、iPadなどを持っている人なら映像の配信機能もぜひ試したい。ワンセグを見られる製品はあるが、画質的に満足できるものではない。本製品では、PCをサーバーとして、放送中の番組のリアルタイム視聴や録画した番組の再生をiPhone/iPod touchやiPadから行える。ワンセグに満足できなかったユーザーは要チェックだ。

さっそくiPhoneとiPadで試してみた。iPhoneでは「TVPlayer」、iPadでは「TVStream」というアプリ(無料)をダウンロードして、アプリを起動する。一覧からサーバー(GV-MVP/XZ2を接続したPC)を選ぶと、ライブラリの番組やリアルタイムの放送を選んで視聴できるという仕組みだ。録画した番組はなぜか一部が表示されなかったが、放送中の番組は問題なく表示された。映像は非常にきれいで、ワンセグとは雲泥の差がある。同一のネットワークにつなぐことが必須だが、部屋のどこにいても好きな映像を高画質で見られるのは魅力だ。

iPhone/iPod touchでは「TVPlayer」アプリを使用し、サーバーのPCに接続する。PCのの電源が入っている必要があり、配信中はPC側で視聴や録画ができない

チャンネルの一覧が表示されるので見たい番組をタップする。番組表も表示できるが、そこから選局や録画予約をすることはできない

ハイビジョン画質でリアルタイムの映像を楽しめる。一度体験するとワンセグの画質には戻れないだろう

惜しいのは、チャンネルを切り替えるときに、そのつど一覧画面に戻らないといけないことだ。選局してから映像が表示されるまではけっこうな待ち時間があり、チャンネルを次々切り替えて見るというザッピングをしているとストレスがたまる。

iPadでは「TVStream」というアプリを利用する。画面が大きいので見やすい。基本的な使い方はiPhone/iPod touch用のTVPlayerアプリと同じだ

価格に見合った多機能チューナーボックス

GV-MVP/XZ2が推奨環境とするCPUをおおまかにいうと、デュアルコア以上で動作クロックが2GHz以上と、そこそこのパワーが必要だ。しかし、非力なPCでも楽しめるように「Netbookモード」を備えている。映像の解像度を落とすことで、CPUにかかる負担を通常の50~70%に軽減し、Intel Atom N270(1.6GHz)やIntel Celeron SU2300(1.2GHz)などを搭載したマシンでも楽しめるようになる。画質はDVD相当、もしくはアナログテレビ相当になるのでHD品質には及ばないが、やや非力なPCを利用してデジタル放送に対応するという目的にも十分だろう。

「Netbookモード」と「Netbook SDモード」の2種類を搭載。2つを同時に利用することでCPUにかかる負荷を大きく軽減できる

GV-MVP/XZ2は画質がきれいだし、大事な番組をしっかり残せるという点で満足感の高い製品だ。しかも付加機能が非常に充実している。価格は実売で13,000円台だが、価格に見合うだけの価値があるといってよい。ただし、多機能を実現するために付属のアプリケーションが多く、使い方はオンラインヘルプ/サポートが頼りだ。分からないことを自分で調べて解決できないと、厳しい場面に遭遇することがあるかもしれない。こうした点を承知した上で、PCでの多機能なデジタルテレビ環境を求める人におすすめだ。

なお、アイ・オー・データ機器のTVチューナー製品は、GV-MVP/XZ2のほかにもたくさんある。視聴と録画の基本的な機能はGV-MVP/XZ2とほぼ同じだが、ネットワーク経由の番組配信や録画番組の編集といった機能には違いがある。こうした点に注意しながら、別の製品にも目を向けてみるとよい。

「GV-MVP/XS2W」はハードウェアトランスコードを搭載したPCI Express x1スロット用の製品。最大15倍録画をサポートし、2番組の同時録画が可能なダブルチューナーを搭載する。価格は21,000円

「テレキング(GV-MVP/FZ)」は最大10倍録画に対応したUSB接続のTVキャプチャユニット。業界最小クラスの本体サイズを実現し、iPhoneやiPadへのテレビ映像配信も可能。録画番組の編集機能は持たない。価格は10,600円

■「GV-MVP/XZ2」の主な仕様
受信放送 地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタル
映像記録形式 MPEG-2、MPEG-4 AVC/H.264
録画解像度 最大1,920×1,080ドット
映像ビットレート 地上デジタル:最大約17Mbps、BSデジタル:最大24Mbps、トランスコード記録:約1Mbps~12Mbps
音声記録形式 MPEG-2 AAC
最大連続録画時間 24時間
デジタル放送機能 字幕放送、EPG、データ放送、双方向サービス、音声多重など
アンテナ入力 VHF/UHF/BS/CS混合入力 F型コネクタ×1
インタフェース USB 2.0
本体サイズ/重量 W98×D92×H26mm/約110g
対応OS Windows XP(SP2以降)/Vista/7
価格 15,700円