26年前、東大阪に1号店をオープン

グランドメニューは焼鳥を中心に絞り込み、鶏づくしでアピール

「鳥貴族」の創業は、今から26年前の1985年。東大阪に1号店を出店した。代表取締役社長・大倉忠司氏は、開業前に通った均一価格の炉端焼きの店に感銘を受けていたことから、開業から2年後に250円の均一価格業態へ。メイン商品は、現在と同じく焼鳥をはじめとした鶏料理である。消費税導入の際に280円(税込294円)均一へと値上げしたが、それ以降値上げせずに通してきた。大阪を中心に地道に出店を続け、2000年には20店舗を達成した。

転機は2003年。初の繁華街出店として大阪・ミナミの道頓堀、しかもそのど真ん中へと出店する。これにより、関西地区での知名度は急上昇。その勢いに乗って2005年には東京初進出店舗を中野にオープンさせた。

しかしながら、関東での知名度はまだまだ低く苦戦。そこで中央線沿線、西武池袋線、京王線と路線ごとにドミナント展開を進めて知名度アップを図り、大倉氏自身も積極的にマスコミ露出を図り、東京でも評判を築いてきた。

毎月ニューオープン店舗がある鳥貴族だが、なんと新店舗はオープンから2日間、全品半額セールを行う。もちろん店頭には大行列。評判が評判を呼び、セール後も好調は続くのだという。

280円均一には仕入れの努力も

人気を支えるおいしさの秘密は前述の通りだが、低価格の秘密は他にもある。それは仕入れだ。多業種展開するのではなく、「鳥貴族」という単一業態に絞って展開しているので、200店舗超えのスケールメリットを最大限にいかした仕入れが行える。業者とは、関西、関東、東海等地区ごとに取引しており、付き合いの長い業者が多いという。さらにフードメニューは50~60品と絞り込み、うち15品程度が串物。サイドメニューやごはんものもその多くに鶏を使用し、焼鳥店としての特徴を打ち出しながら、食材ロスとオペレーションアップによる人件費削減も図っている。原価率はドリンクを含め30~40%、客単価は2,100円で推移している。

今後まずは、関西、東海、関東(東京・千葉・神奈川・埼玉)の3大商圏で、2016年までに1,000店舗展開、その後さらに全国へ展開し、国内2,000店舗、さらには海外進出も視野に入れているという。堅実に着実に築いてきた基礎があってこそ、「鳥貴族」はいま飛躍の時を迎えているのだろう。