使い勝手を底上げする新機能
今度は「CD革命/Virtual Ver.12」本体の新機能を確認する。今回新たにサポートするイメージファイルの形式に拡張子「.mds+.mdf」「.mds+.iso」が加わった。同形式はAlcohol Softの光学メディア仮想化ソフトウェアAlcohol 120%や、同フリーバージョンのAlcohol 52%で使用される情報ファイル、およびイメージファイルだ(表01)。
「CD革命/Virtual Ver.12」でサポートするイメージファイル形式
拡張子 | 概要 |
---|---|
.fcd | CD革命/Virtualイメージファイル |
.mds+.mdf | Alcohol 120%/52%などが使用する情報ファイル付きイメージファイル |
.mds+.iso | Alcohol 120%/52%などが使用する情報ファイル付きイメージファイル |
.mdf | Alcohol 52%などが使用する実イメージファイル |
.iso | ISO9660イメージファイル |
.cdi | Disc Juggerなどが使用するイメージファイル |
.ccd | Clone CDなどが使用するイメージファイル |
.nrg | Neroなどが使用するイメージファイル |
.cue+.bin | 汎用的な情報ファイル付きイメージファイル |
.cue+.wav | 汎用的な情報ファイル付きWAVEファイル |
サポートするイメージファイル形式の拡充によって自由度は高まったが、記録密度やパスワードなどのプロテクト情報を保持したタイプは未サポート。また、ファイルサイズの制限を持つOSのために用意された分割形式もサポートしていない。前者は不正使用防止にまつわるものであり、後者も需要も減って使用する機会も少ないため大きな問題にはならないだろう。
「CD革命/Virtual Ver.12」のメイン画面に大きな変化はないものの、興味深いのがデスクトップに生成される「VCD_NSE」フォルダーである。イメージファイルへの参照を使い慣れたエクスプローラー形式で行うために用意された特殊フォルダーだ。
イメージファイルを右クリックすると表示されるメニューから、マウントやプロパティ情報の確認が可能。エクスプローラーのナビゲーションウィンドウからも操作できるため、利便性は大きく高まるだろう(図14~17)。
また、仮想ドライブを一目で見分けが付くように、ドライブアイコンを変更する機能が用意されたのも新機能の一つ。Windows OSに詳しい方は目新しさを感じないかも知れないが、簡単な操作でドライブアイコンを変更できる点は便利と言ってよいだろう。
用意されているアイコンは28種類だが、Windows 7で使用可能な特大アイコン(256×256ピクセル)は2種類のみ。それ以外は48×48ピクセルのWindows XPで使用していた小さいアイコンである。お使いのOSがWindows 7の場合は選択を間違えないようにして欲しい(図18~21)。
アプリケーションやPCゲームのイメージファイル化でネックとなるのが、名称チェックである。具体的には仮想ドライブのデバイス名を参照し、特定の文字列が含まれていると起動を禁止するプロテクトの一種だ。
「CD革命/Virtual」シリーズでは、バージョン8.5.1からデバイス名の変更機能が搭載されているが、最近では仮想ドライブを実現するためのSCSIコントローラー名もチェックするようになった。そのため、新バージョンではSCSIコントローラー名を変更する機能を搭載。前述のようなプロテクトに対応している(図22~25)。
その他の基本的な機能は前バージョンである「CD革命/Virtual Ver.11 XA」を踏襲しており、Professional版ではCD/DVDのバックアップ、FCD形式のイメージファイルを光学メディアへ書き出す機能なども従来どおり。
これまで「CD革命/Virtual」シリーズをお使いのユーザーや、ODS機能によるイメージファイルの管理に魅力を感じる方はバージョンアップする意義が大きい。それ以外のケースでもWindows 7をお使いの場合はエクスプローラーの拡張機能による操作性の向上は大きなポイントとなるだろう。