「あれは一体誰?!」
「もしかして、ニッキー…」
「ニッキー・ミナージュ? ウッソ、信じられない!!」

去る4月7日の午後5時すぎ、マンハッタンのタイムズスクエアに突如、ピンクのラッピングバスがやって来た。何かを予感して思わず群がる学生や、仕事帰りのビジネスピープル、世界各地から来た旅行者たち。バスの上に現れたのは、いまアメリカの女の子達を中心に絶大な人気を誇るシンガー、ニッキー・ミナージュだ!

強烈に人目を惹く、ニッキーのラッピングバス

アーティスティックな白のウィッグにはピンクのアクセントがうっすら走る。そう、彼女のトレードマークカラーはこのピンク。そしてコケティッシュな仕草で取りだしてみたのは、この日のために特別に作られた、まさにニッキー・ピンクのデジタルカメラ、TRYX(トリックス)。なお、TRYXは米国での名称で、日本での製品名はEXILIMシリーズの「EX-TR100」。

ニッキ・ミナージュ、TRYXのカスタムモデルを手に

ベスト・バイ、そしてカシオUSAのエグゼクティブ達と

背後には、TRYXによるHDRアートが!

いったいどこからやって来たのか、女子高生たちの集団が大騒ぎしながらなだれ込み、ニッキー・コール、そして携帯で写真をカシャカシャ。NYで一番活気があるここタイムズスクエアだが、普段より一段と温度が上がった15分間だ。

タイムズスクエアが、ニッキー・パニック!

夜目にも映える、TRYXのビルボード

ニッキーの背後にそびえる建物には、3面いっぱいにTRYXの広告が拡がっている。このビルボードは丸々3か月、6月末までタイムズスクエアを飾る予定という。

TRYX OUT: NYC 2011

いまかいまかと、開場を待つ人々

自然発生的に、ニッキー・ミナージュの歌の大合唱が

さてそのすぐそば、まさにブロードウェイの中心部に位置するベストバイ・シアターが、カシオTRYX発売記念イベントの会場だ。カンファレンスにはメディア関係者が100名ほど詰めかけた。壇上に現れたのは、カシオアメリカ会長・沖室敏治氏。まず初めに、東日本大震災の犠牲者のため全員で黙祷を。

カシオアメリカ会長、沖室敏治氏

ベスト・バイ社CEO、マイク・ヴィテリ氏

続いて沖室氏は、世界最大の家電量販店ベスト・バイ社とカシオが結んだマーケティング・パートナーシップに触れ、米国市場におけるカシオのデジカメのプレゼンス拡大への期待を述べた。中でもベスト・バイとの提携で、フェイスブックやツイッターなどSNSが日常化しているヤングアダルト層への訴求を強化するという話は印象的であった。

そのベスト・バイの社長マイク・ヴィテリ氏より、ミネアポリスの本社からのビデオメッセージが届く。「TRYXは、かつて私が見たことのないデジカメで、非常に驚きました」と語るヴィテリ氏。今年のCESで初日にTRYXを見せられ、大いに興奮したのだという。

また沖室氏は、優れた画像処理変換技術やHDR-ARTにより、ユーザーの"内なる創造性"を引き出し、そしてオンライン・サービスの"イメージング・スクエア"でアート作品を楽しめるコミュニティを作り出すという、カシオの未来を語った。

ニッキー・ミナージュ、すさまじいカメラフラッシュの数に「あとでコンサートやる時に、また違う衣装で出るから(笑)」とスウィートな牽制を

続いてニッキ・ミナージュの登場だ。現在ツアー中の彼女、「どこに行くにもこのTRYXと一緒に動いて、仲間を撮ってはブログにポストするわ!」。彼女のサイン入りピンクのTRYXはオークションにかけられ、収益は米国赤十字を通じ、東日本大震災の義援金として寄付されるという。

カシオアメリカ社デジタル・イメージング部シニア・ジェネラル・マネージャー、井口敏之氏は、「傑出したファッションセンスや世界観、溌剌としたエネルギーあふれるニッキーは、まさにTRYXを体現するアーチスト」と語る。

また、TRYXが従来のデジカメを大きく引き離すのは、その"インスピレーション"にあるとも言う。つまりユーザーに「何かやってみよう」という気にさせるデジカメなのだ。「TRYXのアメリカでの訴求層は、SNSを通じてコンテンツを共有しあい、最新テクノロジーをいち早く取り入れ、何事にもいち早くアンテナを延ばす、18~34才のヤングアダルトです」(井口氏)。

この層にとって重要なのはデザイン。ただし、TRYXのデザインの良さは、その見栄えだけではない。バリアブルフレームが360度回転し、ねじったりドアノブ等に引っかけて撮影することもできるため、パーティなどでもかつて無かったアングルから写真を撮ることが可能になるし、フレームが三脚となりテーブルに立たせて撮影できる。「セルフポートレートや友人とのショットを頻繁に撮るヤングアダルト層に対する大きな強みとなる」とも語った。

デジタル・イメージング部シニア・ジェネラル・マネージャー、井口敏之氏

ベスト・バイ社デジタルカメラ部門シニア・マーチャント、サッカリー・テスキー氏

ベスト・バイのデジタルカメラ部門シニア・マーチャント、サッカリー・テスキー氏は、「東京でTRYXを見せてもらったのは1年前のこと。これは凄いと直感しました。仕事柄"凄いデジカメ"のアイデアを聞かされる機会が非常に多い私ですが、実際に商品として販売されるかどうかはまた別の話ですからね」。ここで会場のメディア関係者が一斉にウンウンとうなづく。そう、いかに優れたアイデアでも、商品化にこぎつけるまでが大変という事を、販売側もメディアもよく承知しているのだ。「ユーザーは、youtubeやフェイスブックなどで"瞬間を共有"します。TRYXは、いわば体験を"増幅させる"デジカメなのです」(テスキー氏)。
……ニッキー・ミナージュそっくりさんコンテストやライブも!!