オリックス生命保険は5月9日から、同社初となるネット専用の『インターネット申込専用定期保険Bridge[ブリッジ]<無配当無解約払戻金型定期保険(インターネット申込専用)>』の販売を開始した。同保険は、被保険者に万一のことがあった際、病気・事故・災害のいずれの事象でも同額の死亡保険金を支払う定期保険。また、不慮の事故で所定の障害状態になった場合、保障は継続したまま以後の保険料の払込みは免除される。

インターネットで、簡単に保障プランの作成から申込みまでが可能。契約が成立した場合は、申込日より保障が開始する

今回は、「Bridge」の開発の狙いと、その商品の特徴、なぜ「インターネット申込専用」としたのかなどについて、オリックス生命 ダイレクト事業部長の榎本祐二氏に聞いた。

オリックス生命 ダイレクト事業部長の榎本祐二氏

ネット申し込み専用にすることでコストを削減し、顧客に還元

――「Bridge」の開発に至った理由はどのようなものだったのでしょうか?

大きく分けて二つあります。一つは、顧客ニーズによるものです。お客様の保険の申し込みの方法が多様化していて、それに対応するためというのが第一の理由です。このニーズに応えるために、インターネットという、ある程度時間が自由になる申し込み方法を採用したのです。

もう一つは、申し込みの仕組みをより効率化して、できるだけ余分な経費をかけないことで、最終的にはその利益をお客様に還元して商品の価格に反映させる、つまり安く提供することができるというのが2点目です。

榎本氏は「申し込みの仕組みをより効率化して、できるだけ余分な経費をかけないことで、最終的にはその利益をお客様に還元して商品の価格に反映させる、つまり安く提供することができる」と話した

――第一の「顧客ニーズ」ですが、インターネットによって保険を申し込みたい人が増えているということなのでしょうか?

当社では、以前から、「申込予約」というサービスと「資料請求」を、インターネットでできるようにしてきましたが、やはり一定の数の方が利用しています。これまでは、新聞広告を出して、その広告を見た方が電話で質問をしてくるという形が多く、それに対応するために、コールセンターで午後9時まで受付をしていました。ですが、仕事から帰ってから、コールセンターに電話するまでに至らないケースもあると思います。

一方、インターネットで情報提供する方法では、時間帯や場所に関係なくお客様に情報提供できるため、利用が増えていました。「申込予約」と「資料請求」の利用時間帯は、夜の遅い時間が多く、午後8時・9時・10時台の利用が多くなっています。

――ネットで申し込む場合、どのような方が多いのでしょうか?

ネットで申し込みをしている人の3分の2は、資料請求せずに、ネットの情報だけを確認して申し込みをしていることが分かっています。従来の通信販売ですと、請求された資料を外部委託先からお客様に発送するなどのコストもかかってしまいますので、そうしたネットユーザーの特性により、かなりのコスト削減になるのです。

申し込みやすさ、Webの使いやすさで工夫

――なるほど。インターネット専用にしたのは、さきほどの二つ目の理由であるコスト削減効果も大きいということですね。ところで、「Bridge」の開発を開始した時期は、いつごろでしょうか?

2010年の3月にインターネット申し込み専用の保険を開発するプロジェクトを発足させました。その後、2010年10月に、当社の従来のコーポレートサイトとは別にダイレクト専用公式サイトをオープンさせ、そしてこの5月9日に、「Bridge」を含めて、Webで保険申し込みができるサービスを開始したという流れになっています。プロジェクトメンバーは、外部委託先を含めると、相当な人数でした。

――ネットで生命保険を申し込める仕組みは、ネクスティア生命やライフネット生命などが先行して行ってきましたが、こうした各社に比べて、今回の「Bridge」などでの保険を申し込みで工夫した点はあるのでしょうか?

申し込みやすさ、Webの使いやすさなど、ユーザビリティという点において工夫をしています。まず最初から、お客様の情報を多くいただかないという点を心がけました。最初から多くの情報を入力しなければならないとなると、お客様側に警戒心が生まれてしまう面があるからです。

最初は、「性別」「年齢」だけで、自分たちの保険料がどれくらいになるのかを分かるようにし、また、保険の申し込みをしなくても、専用の「マイページ」を作れるようにしています。

Web上で作られた見積もりを、メールで送信するサービスや、見積もり結果をメモ代わりに、PDFで保存することができるサービスも導入しています。お客様にとっては、複数の保険会社の中からどの保険会社にしようか検討しているわけですから、その検討の土台に乗りやすいような仕組みにすることを心がけました。