現在のWebブラウザーにツールバーは必要か
特定サイトの機能やサービスをより便利に使用するため、誕生したWebブラウザー用ツールバー。一昔前は各Webサイトが自身のWebサービスに誘導するために自社製ツールバーをリリースし、なかにはツールバーを導入しすぎて、Webページ表示領域が狭くなってしまうという冗談とも思えない話があったという。
だが、最近ではツールバーを導入する・しない、といった話を聞くことがなくなった。それはなぜか。Google ChromeやInternet Explore 9、Mozilla Firefox 4以降のユーザーインターフェースからもわかるように、Webページ表示領域を拡大させるため、各パーツをシンプルな構成にするのが現在のトレンドだからである。
Webアプリケーションのユーザーインターフェースも豊かになり、ツールバーを必要としなくなった側面も大きい。しかし、Microsoftが運営する検索サイト「Bing」は、同サービスを活用するためのツールバー「Bingバー」を今でもリリースし続け、2011年に入ってからも機能を拡充した新バージョンが登場している。
そもそもBingは、MSNサーチからWindows Liveサーチ、Liveサーチと名称や検索エンジンを変更しながらもサービスを一貫して続けていた検索サイトであり、Microsoftが運営していることからも、ツールバーやデスクトップ検索などWindows OSと親和性の高いサービスを提供してきた。
そこで、一見すると古いユーザースタイルに見えるBingバーを導入し、メリットやデメリットを詳しく調べてみる。なお、今回使用したBingバーは、バージョン7.0.756.0であり、異なるバージョンでは記事の内容と異なる可能性があるので注意して欲しい(図01)。
Bingバーを導入する
最初にシステム要件を確認しよう。Bingバーを導入できるOSはWindows XP Service Pack 3/Windows Vista/Windows 7上で動作するバージョン7以降のInternet Explorerが必要となる。また、ディスクの空き容量として60MB程度必要だが、いずれも大きな問題とはならないだろう。
Bingバーの導入はさほど難しくない。Internet ExplorerでBingバーのダウンロードサイトにアクセスし、<今すぐダウンロード>ボタンをクリックするだけだ。Internet Explorer 8以前の場合は情報バー、同9の場合は通知バーが現れるので、ダウンロード後に実行するアクションを選択すればよい(図02)。
図02 Bingバーのサイトにアクセスし、<今すぐダウンロード>→<実行>と順にボタンをクリックする |
インストーラーはウィザード形式のため、画面の指示に従って進めるだけだが、唯一ユーザーの取捨選択が必要となるのが、追加オプションの<品質の向上に協力する>という項目。Bingバー上で入力した文字列などがMicrosoftに送信され、プログラムの品質向上のために役立たせるというものだ。
定期的にMicrosoftへ送信される内容
- Bingバーの導入可否情報
- Bingのインストール日時
- Bingのバージョン情報
- OSやWebブラウザーなどのコンピューター情報
上記のような情報が送信されるため、気になる方は同項目を無効にしてもよいが、リアルタイムで検索キーワードの候補を表示する自動補完機能や、パスワードなど何度も同じ文字列を入力すると自動入力を可能にするオートフィル機能が動作しなくなるため、個人のポリシーと利便性を比べて判断して欲しい(図03)。
Bingバーのインストーラーを終了させると、自動的に新しいInternet Explorerが起動する。Internet Explorer 9の場合は通知バーによるアドオン有効化の選択をうながしてくるので、<有効にする>ボタンをクリックして、Bingバーを使用可能にしよう。ちなみにBingバーの導入はWebサイト経由だけでなく、Windows Live Essentials 2011からもインストールできる(図04~06)。