NGPは正式名称を「PlayStation Vita」に! 今秋登場
さて、イベント後半はいよいよお待ちかねのNGPに関するアナウンスメントだ。壇上にはソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)代表取締役社長兼グループCEOの平井一夫氏が登場し、先ほどSCEAのTretton氏が触れた一連のハッキング事件について改めてコメントしている。その後、平井氏はPlayStation Suiteのプラットフォームが今後順次ロールアウトされていくことを説明した後、今年ポータブルデバイス戦略の中核となるNGPについての説明を開始した。
NGPの正式名称は「PlayStation Vita」とされ、この「Vita」はラテン語で「生活」を意味する言葉だ。ポータブルという性格上、この種のデバイスは日々の生活に密着したものとなる可能性が高く、ゲーム機としての役割だけでなく、動画などのエンタテインメントやメール、ソーシャルネットワークまで、さまざまなサービスに接続するためのハブになる可能性が高い。「PS Vita」にもこうした日々の活動をサポートする役割を想定した名前を与えたのだと考えられる。
「PS Vita」の機能は多彩だ。まず従来のコントローラとボタンに加え、2本のアナログスティックが付けられ、マルチタッチに対応したディスプレイ、そして背面の指が触れるエリアもタッチ認識領域となっている。また加速度センサーとジャイロスコープを組み合わせた6軸モーションセンサー、電子コンパス、GPSといった各種センサーも搭載しており、リアルタイムでデバイスの位置や傾き、移動量などを計測可能となっている。
カメラ機能についてはリアとフロントの2ヶ所をカバーしており、風景や人物の撮影以外に、ビデオチャット用としての活用も可能。ネットワーク機能にはWi-Fiのみのバージョンに加え、3Gネットワークにも対応した計2つのバージョンが用意される。これら各種センサーやネットワーク接続機能を使って、さまざまなサービスやアプリケーションへの応用も可能だ。
提供時期は秋となっており、正確な発売日についてはアナウンスされていないが、おそらくホリデーシーズン直前の10~11月になるのではないかとみられる。価格はWi-Fi版が米国で249.99ドル、欧州で249ユーロ、日本で24,980円、Wi-Fi+3Gの両対応版が米国で299.99ドル、欧州で299ユーロ、日本で29,980円となっている。米国では3G版がAT&Tによる独占提供形態となっているが、料金プランや年契約縛り等の詳細は不明だ。後に日本や欧州での提供キャリアや料金プランなどと含め、詳細が発表されることになるという。
なお、AT&Tでは、同社がもつ米国内の2万4000カ所のWi-Fiホットスポットを「PS Vita」ユーザー向けに無料開放する予定とのことで、データ通信量に上限のあるAT&Tでの通信容量の節約や、オンラインゲームでのより高速な接続が可能になるとみられる。
3G搭載に合わせ、米国での独占提供携帯キャリアは米AT&Tとなる |
ネットワークへの接続が主軸に据えられており、ソーシャル系サービスも利用できる |
なお、本体と共にお披露目されたいくつかのローンチタイトルの動画はこちらで確認してもらいたい。