台湾・台北市で開幕したCOMPUTEX TAIPEIの前日に行われたイベントで、QualcommはLTE対応チップを搭載したチップセットを、第2四半期という当初の予定通り、6月からのサンプル出荷を開始すると発表した。次世代のアーキテクチャを採用し、最大でクアッドコアまでをサポート、当初クロック周波数は1.7GHzになる。

Snapdragonを搭載した製品が続々登場してくる

プレスカンファレンスは「龍踊」(Dragon show)でスタート

現在、同社製品には、クロック周波数1.4GHz・シングルコアのScorpion CPUを搭載した第2世代のSnapdragon「MSM8655」が使われている。もともと1GHzの製品のバリエーションで高クロック化したものとなる。続く第3世代の「MSM8660」はデュアルコアで、1.5GHz駆動のScorpion CPUを搭載する製品で、今後搭載製品が登場してくる。そして、6月からサンプル出荷を開始する第4世代の「MSM8960」は、開発コードネーム「Krait」となる次世代CPUを搭載。クロック数は、まずは1.7GHzのデュアルコアで、来年中にはクアッドコア、2.5GHz駆動の製品もサンプル出荷していく。GPUのAdrenoもデュアルまたはクアッドコアになり、3Gに加えてLTEにも対応する。このMSM8960を搭載した製品は来年にも登場する見込みだ。

多彩な製品がSnapdragonを搭載して、市場が拡大している

Snapdragonのロードマップ。サンプル出荷を開始するのは第4世代で、2.5GHz、クアッドコアまで登場予定

Qualcommは、25年以上にわたってモバイル業界のファブレスチップセットメーカーのリーダーとして製品を提供しており、10億個のチップを1年間に出荷しているという。2010会計年度では100億ドルを超える収益を上げており、「世界最大のファブレの半導体メーカー」(Computing & Consumer Products Product ManagementシニアバイスプレジデントLuis Pineda氏)と胸を張る。搭載製品も、「世界で125種類を超え、タブレット端末も8モデルが登場しており、40以上のデバイスが設計されている」(同)そうだ。

Luis Pineda氏

Jason Zheng氏

同社の戦略は全方位の製品展開。同社のAsia Pasific General ManagerでシニアバイスプレジデントのJason Zheng氏は、OSのサポートはAndroid、BlackBerry、Chrome OS、webOS、Windows PhoneというモバイルOSに加え、次期Windows 8がARMコアをサポートすることから、ARM版Windowsもサポートしていく方針だ。