富士通は26日、NTTドコモ向け夏モデルとして提供される「Windows 7ケータイ F-07C」の説明会を開催し、報道関係者向けにその特徴をアピールした。F-07Cは、通常のiモード携帯とフルスペックのWindows 7のデュアルブートを可能にした国内初めての携帯電話となる。

左から、日本マイクロソフト・樋口泰行社長、富士通・佐相秀幸副社長、同斉藤邦彰パーソナルビジネス本部長、インテル・宗像義恵副社長

F-07Cは、少し大ぶりのボディにスライド式のフルキーボードを搭載した携帯電話。いわゆるフィーチャーフォント同じSymbian OSを搭載した「ケータイモード」と、Windows 7 Home Premiumを採用した「Windows 7モード」の2つのモードを1ボタンで切り替えながら利用できるのが特徴で、同社によれば「世界最小のWindows PC」だという。

Windows 7ケータイ F-07C

小型PCと携帯の双方を開発する富士通だからこそできた、という世界最小のWindows PC

Windows 7側では、CPUにIntel Atomプロセッサを搭載。Oak Trail世代の組み込み向けプロセッサとPC向けチップセットを組み合わせた独自の構成を、インテルとの共同で組み上げて搭載している。クロック数は1.2GHzだが、消費電力の関係で600MHz(固定)にクロックダウンしているそうだ。

システム情報の画面。CPUはクロック数1.2GHzになっているが、動作は600MHzに抑えられている

AtomとWindows 7を採用するため、使い勝手はWindows PCそのもの。マイクロソフトの協力によるという「Microsoft Office Personal 2010 2年間ライセンス版」を搭載。会社や自宅のPCで作成したOfficeファイルを、変換することなく、そのまま閲覧し、PCと同じ機能を利用して編集できる。

Windows PCとして、通常のPCと同様の作業が可能

自宅でも通勤途中でも会社でも、シームレスに作業が続けられる点をアピール

ブラウザは最新のInternet Explorer 9を搭載。FlashやSilverlightなどのWeb技術もサポート。Windowsであるから、さまざまなソフトのインストールももちろん可能だ。電子辞書としても活用できるように「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和・和英辞典MX」など18種類の辞書・辞典コンテンツを搭載。データバックアップ・復元が簡単にできる「マイリカバリ」を別売で用意するほか、別PCのDVDドライブを共有して利用する「DVDドライブ共有機能」も搭載する。

搭載される電子辞書類

マウスボタンとトラックボールでPCと同様の操作ができる

キーボードはスライド式で、QWERTY配列のフルキーボード。一部に特殊な配列を採用しているが、キーボード左上に左クリックボタン、右下にトラックボールを配置し、マウス操作も可能になっている。タッチパネル操作も可能で、2点タッチをサポート。よく使うアプリやタスクを大きなアイコンで表示する専用ランチャー「タッチコンソール」や「戻る」や「お気に入り」操作をタッチしやすくする「インターネット操作パネル」を備え、タッチ操作もしやすくした。なお、タッチパネルとキーボードは「ケータイ側の機能をWindows側で利用している」(説明員)という扱いだそうだ。

一部特殊配列もあるが、QWERTY配列のキーボードを搭載する

タッチ操作に向いていないWindows 7だが、ランチャーや操作パネルを使って操作しやすくしている

Windows 7モード。標準では横表示のみだが、Windowsの設定で縦表示も可能

1ボタンで表示を拡大・縮小できるので、小さな文字も見やすくできる

ディスプレイは大型の4型液晶を搭載。解像度は1,024×600ドットで、PCとしては小さく、そして高精細なため、1ボタンで画面の拡大縮小ができる機能を装備。閲覧性にも配慮した。

本体のボタン1つでケータイモードとWindows 7モードを切り替えられる