FUJITSUデザインアワード2011

富士通と富士通デザインが開催した、次世代PCのデザインがテーマの国際デザインコンペティション「FUJITSUデザインアワード2011」。授賞式レポートの前編ではグランプリ・準グランプリを受賞した3作品をご紹介したが、後編では審査員特別賞を受賞した7作品をご紹介していこう。

キュリオシティ代表 グエナエル・ニコラ氏選出

審査員特別賞受賞作品「Frame Series」

デザインスタジオ「キュリオシティ」代表のグエナエル・ニコラ氏が選んだのは、PCやケータイ、スマートフォンなど一見バラバラに見える複数の機器が互いに連携しつつ、「ノートPC」というひとつのフレーム内に収まる「Frame Series」。ニコラ氏は「来年のデザインを決める、というのは一番頭を悩ませること。今回、どの国の人の作品か知らずに選考したが、選んだものがドイツ人の作品だったのは、やはりという気がした。真面目でスマートな、ドイツっぽいデザイン。モノ造りをしっかりやる姿勢は、ドイツのお国柄だ」とコメントし、授賞作品を賞賛した。

パソコン、スマートフォン、スマートフォンが一体になってひとつのノートPCを構成する

受賞者のフローリアン・ランガー氏(左)と審査員のニコラ氏(右)

チームラボ代表 猪子寿之氏選出

審査員特別賞受賞作品「Smile Cup」

「チームラボ」代表のデザイナー、猪子寿之氏が選んだのは「Smile Cup」。絵文字でのコミュニケーションがティータイムで利用されるシーンを描いた作品で、感覚的なコミュニケーションツールとしてコンピュータ機器が広く活用されていくであろう未来を具現化している。猪子氏は「未来ではオンラインで実現されてきたことが実社会でも体験できるようになっていく。これからの工業デザインのヒントになる作品」と選考理由を説明した。

コミュニケーションツールとして活用される未来像を示すデザインが評価された

受賞者のニキータ・モキーエフ氏(左)と、猪子寿之氏

インダストリアルデザイナー ロス・ラブグローブ氏選出

審査員特別賞受賞作品「Frame Series」

インダストリアルデザインナーのロス・ラブグローブ氏は、PCを持ち歩く機会が増える今後を想定し、座ったときや立ったときの状況に合わせてディスプレイの位置を自由に変化させることができるというユニークな点を評価し、「Anderson」を選出。

ディスプレイを閉じると正方形に近い形状になるノートPCのデザイン

左が受賞者のマ・イーウェイ氏(人物左)。本作は同氏と他1名の共同作品。なおラブグローブ氏自身は不在で、富士通デザインの加藤公敬社長から賞が授与された

MAD代表 馬岩松氏選出

審査員特別賞受賞作品「Frame Series」

「MAD」代表の馬岩松氏が選んだのは、液晶プロジェクター、ウイルス警告、オートセンサーなどノートPCに追加される機能にフィジカルな動きや香りなどを与え、五感に訴える方法でPCの機能拡張を楽しむことができる「The Haunted Mountain」。

ノートPCに機能を追加することを五感に訴えるというコンセプト

受賞者のショーヒュ・ル氏(人物左)。馬岩松氏も残念ながら不在