今回利用したのは、日本通信のFOMAハイスピード対応SIMカードである「b-mobile Fair」だ。このSIMカードはFOMAハイスピードに対応するため、下り最大7.2Mbps/上り最大5.7Mbpsの通信を利用可能。最大1GB/4カ月までの通信を利用できることになる。日本通信の直販サイトでの価格は9,800円で、その後さらに1GB分のデータ容量をチャージすると8,350円が必要になる。こちらも有効期限は4カ月だ。
ちなみに日本通信では、1カ月250MBのデータ容量を使った場合の1カ月あたりの料金を2,087円と設定しており、1カ月で754MBを超えない利用であればドコモの定額料金より割安になるという。日本通信のサービスでは、毎月300MB弱の通信量が一般的であり、この料金体系で十分割安に利用できると試算している。
さて、実際にb-mobile Fairを利用するには、バッテリーを外したところにあるスロットにSIMカードを挿入し、「LifeTouch NOTE」の「設定」から「無線とネットワークの設定」を選び、「モバイルネットワーク」を開いて、「アクセスポイント名」にアクセスする。
続いてメニューボタンを押し、「新しいAPN」を選択。あとはAPNに「dm.jplat.net」、ユーザー名に「bmobile@fr」、パスワードに「bmobile」と設定して保存すればいい。
このようにbmobile Fair用のアクセスポイントを作成する。この画面からメニューボタンを押して「新しいAPN」を選択すればよい |
アクセスポイントを作成したら、識別しやすい名前を付け、APNやユーザー名、パスワードを設定する |
これで設定は完了。この時点でも「LifeTouch NOTE」のアンテナ表示は「圏外」表示になっているが、実際は通信ができる状態になっている。NECによれば、日本通信のSIMカードはサポート対象外なので圏外表示になってしまうとのことだが、利用に関しては問題ないようだ。
表示が常に「圏外」となってしまうので、実際に通信ができるかどうかは試してみてチェックするしかないが、いったん通信できてしまえばカバー率が100%近いドコモのFOMAネットワークを使った快適な通信ができる。1GBの容量制限はあるが、ドコモとは異なり、ファイル交換やSkypeなどのVoIPのプロトコル制限、3日間の通信量300万パケット以上での速度制限といった通信規制もない。
b-mobile Fairの場合、日本通信が提供するAndroidアプリ「bCharge」を利用することで手軽に現在の通信量を確認でき、そこから追加チャージも可能だ。オートチャージ機能も搭載しており、残通信量が少なくなった場合、または4カ月の有効期限が切れる前に、登録したクレジットカードから自動的にチャージしてくれる。
b-mobile Fairのアプリ「bCharge」にはウィジェット(画面写真上の黒いアイコン)も用意されている。このウィジェットは、青いドットが残データ通信容量を示しており、使い続けると青いドットが消えていき、残量が一目で分かる |
「bCharge」アプリからは、残りのデータ量の詳細確認とオートチャージの有無の設定が行える |
Androidアプリの「Xtremelabs Speedtest」で実際の通信パフォーマンスを測定したところ、下りは1.94Mbps、上りは468kbpsとなった(5回試行した平均)。下り速度は2Mbps近く出ており、通常の利用ではほとんど問題を感じない。上り速度がやや出ていないが、これはテストした場所がHSUPAエリアでなかった可能性があるので評価保留。とりあえず下り速度については十分という印象だ。
今回試用したFOMAハイスピードモデルを無線LANモデルと比較してのメリットは、やはりいつでもどこでも、電源を入れればすぐに通信ができるという点だ。公衆無線LAN環境がない場所でも自由に通信を使えることが、「LifeTouch NOTE」をさらに便利にしてくれる。ポータブル無線LANルータなどを使えば同様の環境も構築できるが、複数の端末を持ち歩く必要があるし、ルータ側のバッテリの心配もしなければならない。3G対応モデルであれば単体で通信ができるため、そういった心配がなくなるわけだ。