TwitterやFacebookにクラウド、スマートフォンと、現在の我々を取り巻く環境は、それこそ"情報爆発"と呼ばれる状況にある。日々爆発的に増加するデータに関してハードウェア環境やサーバ環境が追いつかなくなることを危惧するこのキーワードは、"個人"の環境にもあてはまりつつある。絶え間なく更新されるニュースやブログなどからの情報、メールやファイルなどで送られてくる仕事や業務のデジタルデータとパーソナルな領域でも増加の一途。
ブックマークや付箋紙を使ったメモ書きでは、対処できない。若しくは頭に残らない。いつの間にか無駄なメモ書きやブックマークが溜まっている。これがサイクル化すると疲れ果ててしまう。人間の脳とこれらハードウェアの許容量とを一概に比較することはできないのだろうが、うまく処理しなければ駄目なことには変わりない。
筆者が最近読んだ「読んだら、きちんと自分の知識にする方法(宮口公寿氏著/明日香出版)」という書籍の中には、本をただ速く読むだけでは、なかなか記憶できない。これらをアウトプットして活用することで記憶力が増すとしているという趣旨がノウハウのひとつとして描かれているのだが、"なるほどな"と感じた。読んだ本とその本からの情報の吸収率の関係は、即席なブックマークやメモ書きとそこから得られる実効性の関係にも似ているのだ。
少し古いといわれてしまうのかもしれないが、新聞紙や雑誌などを切り抜いて情報収集をする知的生産活動の代名詞"クリッピング"では、該当箇所にペンを入れておき、時間がある時にこれを切り抜いて、種別や時系列などで分類する。こうやって情報管理をすることで再利用性を高めるだけではなく、情報への執着、または熱意というようなものが醸成されていた時代もあった。これなどは、未だに有効な手段だと私は思う。
そこで、現代版クリッピングともいえるスクリーンキャプチャの活用術。スクリーンキャプチャは、別名スクリーンショットとも呼ばれ、パソコンのデスクトップ上に表示されているウィンドウを画像として保存するOSに備わる機能のことだ。Windowsでは、[PrintScreen]キーを押すことによって、Macでは、[Command]+[Shift]+[3]で利用できる。ブログにアップするための画像取得などで利用したことのある方も多いのではないだろうか。PCのモニタ上で表示されている事象をそのまま画像として保存できるこの機能は、Web制作におけるモックアップ、チュートリアル作成などにもよく利用されている。
たとえば、ニュースサイトにおいて注目すべき情報があったときに、そのWebサイトをデジタル画像で残しておいて、重要な部分にラインを引いたり、メモを記入したりと加工することも簡単にできてしまう。仕事や業務上での利用においても効果を発揮する。もちろんケースにより異なるのだが、文字伝達と画像伝達の違いは確実に存在する。ExcelやWordなどで作成された業務上のファイルも画像化しておき、これに指示を入れることで驚くほどスンナリと伝達できる場合もある。
ただ、OSの基本機能であるスクリーンキャプチャで画像を保存して、これらをペイントで指示書きして、フォルダに保存していたのでは効率化を図ることができない。世の中には様々な用途や属性でこのスクリーンキャプチャ機能を最大限活用するためのソフトウエアが存在する。そのいくつかを紹介してみよう。