――その"表現"であるネタはどのようにして作るんですか?
なだぎ「やりたいキャラクターやボケが先にあって、これをやるためにはどうするかを考えていきますね。たとえば去年のR-1ぐらんぷりでやった"ミ○キーマウス"のネタは、テレビの『警察密着24時』に出てくるヤンキーの兄ちゃんをやりたいというのがまずあって。ああいう兄ちゃんがディズニーランドに行きたいと。で、そこで原付バイクに乗って警察に止められるシチュエーションだったらおもしろいかなとか考えながら作っていくんです」
――インパクトのある人を見るとやらずにはいられない?
なだぎ「そうです。ちょっと変な人がいるとずっと見てしまうので。動きがおかしいとかリアクションが変だとか、しゃべり方がおもしろいとすぐマネしたくなりますね。そんな人を見ると、忘れないうちに自分の中に取り込んでおきたくなって、誰もいない場所にササッと行ってマネしたりもします(笑)」
――そこになだぎさんらしさが加わって、ものすごい化学反応が起こったネタになると(笑)
なだぎ「『ビバリーヒルズ青春白書』のディラン・マッケイなんか、ただの"カツラつけてるなだぎ武"ですからね(笑)。ディランは自転車に乗らないし足も上げないし、「今、自転車を降りているぞ」とか絶対言わないし。だいたい、あんなにもっちゃりしてないです(笑)。でも、あれをディランだと言い張ってたおかげで、声優の小杉十郎太さんと仲良くさせていただいたり、ディラン役のルーク・ペリーにも会えたりしたので、すごいことだと思いますね」
――でも、ディランへの愛情は感じます。
なだぎ「好きなものしかできないんでね。ああいうパロディをやるとき、もともと好きだった人に受け入れてもらえるかどうかは大事だと思うんです。ディランについては『ビバリーヒルズ』のファンの方から『よくやってくれた』と歓迎してもらえてうれしかったですね。バカにしてるか愛情があるかは見てもらえばわかると思うんです」
――なだぎさんのネタの基本は"愛情"?
なだぎ「そうですね。好きだからできる。『天空の城ラピュタ』のムスカ大佐なんかマニアックすぎて、ウケることだけ考えたら絶対にできないですよ。でも、これをなんとかおもしろくしたいし、僕と同じようにムスカが好きな人に喜んでいただければいいかと思って。好きという気持ちは勇気になりますよね。実際、全然ウケないんですけど(笑)」……続きを読む