シュヴァルツヴァルトの朝食はケーキ!?

オー・クニクスブール城を後にして、再びライン川を渡る。次に向かうのは「シュヴァルツヴァルト」。ドイツ語で「黒い森」を意味する広大な山岳・深林地域であり、南ドイツの代表的リゾートエリアだ。私の宿泊地であるフライブルクも、エリアとしてはシュヴァルツヴァルトの一部に当たる。

次第に、雲の切れ目から青空がのぞき始めた。ラルフは晴れるのを待ちかねていたように、SLK200のルーフを畳んでオープンにした。白い漆喰に木組みのホテルや家々が建ち並ぶ高原の道路を、オープンのメルセデスが駆け抜けていく。「春になれば、建物の窓に花が飾られる。それがキレイなんだ」という彼に、私は、仕事の日程がもうひと月遅ければ良かったよ、と返す。するとラルフは言った。 「来月、また来てよ。今度は1日じゃなくて、1ヶ月くらいのバカンスでね(笑)」

次に車が停まったのは、修道院の駐車場だった。教会の重い扉を押し開くと、それは見事な白亜の礼拝堂が現れた。天井の美しい宗教画とロココ調の装飾、そして白壁が輻射する柔らかな光がフロア全体を包む。心洗われる、とはこういうことをいうのだろう。

驚くほど美しい白亜の礼拝堂

礼拝堂の外観。この日の中では貴重な青空の写真

ここでEX-ZR100のスライドパノラマ機能でパノラマ写真を撮影した。シャッターを押したままカメラを横方向にぐるりと振り回す。その所作を見ていたラルフは大いに興奮して、「そうやって連写した画像がパノラマになるの!? PCを使わなくてもいいのかい?」と聞いてくる。すかさず私は言ってやった。日本にはもう、PCで写真を繋ぎあわせてパノラマにする人なんていないよ(どや顔)。彼は信じられないといった面持ちで、「連写速度もダダダダダ…と、まるでマシンガンのようだよ」と笑った。

ラルフも大興奮! スライドパノラマで撮影した360度のパノラマ写真

修道院の敷地内を散歩した後、カフェでひと休み。ラルフが「この地方では定番の朝食」と強くプッシュするキルシュトルテとコーヒーのセットを注文した(時間はすでに午後だったが)。

キルシュトルテは、チョコレート・スポンジに生クリームを塗り、特産のチェリーを使ったキルシュ(サクランボを発酵させて作ったリキュール)をサンドしたケーキ。キルシュの酸味とクリームの甘み、アルコールとチョコレートの香りが絶妙のバランスで美味しい。美味しいけれど、これが朝食の定番というのは、カロリー的にどうかと思う。ちなみに、チョコレートスポンジは黒い森、クリームは積もった雪、削ったチョコレートは落ち葉をイメージしているそうだ。

キルシュトルテは美味しいが、ワンカットがもう少し小さくてもいいと思う。カフェオレとのセットで6~7ユーロ

フランスの高速道路「Autoroute(オートルート)」を走行中。EX-ZR100の動画撮影は、フルHD+ステレオ音声の豪華仕様だ。最大1,000fpsのハイスピードムービーも撮影できる。ちなみに音楽はカーステレオで、編集などはしていない

余談だが、ここでひとつ問題が発生した。トイレに行ったとき、男女別を表すプレートにマークも英語もなく、ただドイツ語で「Herren」「Damen」と書かれているのみだったのだ。いったいどちらが男性用なんだ? しかし、事態切迫しており、のんびり考え込んでもいられない。せめて英語から連想できる単語なら…。きっと「men」が付く方だろう! という話をラルフにしたところ「それはハズレだったね(笑)」。みなさん、ドイツ観光の際にはくれぐれもご注意を。……つづきを読む