M-03 永遠
作詞 / LiSA◆作曲 / 岸田◆編曲 / 岸田教団&THE明星ロケッツ
――それでは収録楽曲について教えていただきたいのですが、まずは3曲目に収録されている「永遠」について教えてください
LiSA「『永遠』は、ざっくり言うと、大事な人がいなくなってしまった、というストーリーになっているのですが、この曲で一番伝えたかったのは、『永遠』という言葉の意味なんですよ」
――「永遠」の意味ですか?
LiSA「『永遠』って本当にあるのかな? って考えたことがありまして、それまでは『永遠』イコール『ずっと』とか『一生』みたいな意味だと思っていたんですよ。でも、考えた結果、『永遠に一緒だよね』とか『これって永遠だよね』って言われるものは、たぶんそのときの気持ちの大きさを表しているのではないかと。それで、その思いを歌詞にできたらいいなと思って作った曲になっています」
――そのときの気持ちの大きさに意味があると?
LiSA「そうですね。『永遠に一緒にいたい』という場合は、『永遠』という時間ではなく、『一緒にいたい』という気持ちの大きさのほうが重要であると解釈しました」
――時間の長さは関係ないという感じですか?
LiSA「難しいのですが、少し前までは『永遠』という言葉に対して、『この人と死ぬまで一緒にいられるんだ』という期待があり、結局そうならなかったときに、『あの言葉はウソだった』って思っていたんですよ。でもそれを冷静に考えたとき、あのとき『永遠』と言ったのは、ずっと一緒にいたいという気持ちの表れなんだということにやっと気づけるようになったんですね。だからそれまでは『永遠なんてない』って思っていたんですけど、『永遠』とはそういう意味なんだって、やっと自分の中で落ち着かせることができた感じです」
――そのときに言った「永遠」は決してウソではないということですね
LiSA「あくまでもその時点では最大級であったという意味でしかないんだって思えるようになりました」
――ちなみに、この「永遠」という歌においては、どういった気持ちが重視されているのでしょうか?
LiSA「聴いてくださった方にとって大事なもの、それが彼氏なのか、動物なのか、家族なのかはわからないのですが、その何かになってくれればいいなって思っています。実際のところ、私の中での背景は『家族』であって、特に『恋愛』といった気持ちは入れていないのですが、人によってその対象は違ってくると思いますね」
――聴く人にとって、それは「恋愛」の場合もあるし、「ペット」の場合もあるし、LiSAさんと同じように「家族」の場合もあるということですね
LiSA「そうですね。なので、いろいろな方向から見られる詞になっていると思います」
――今回のミニアルバムに収録されている7曲はすべてLiSAさんが作詞をなさっていますが、LiSAさんの詞は体験談ですか? それとも想像ですか?
LiSA「基本的には体験談なのですが、実際に詞を書くときは、音を聴いたときに浮かんだ映像を言葉にしていくので、どちらかというと想像になるのかもしれません」
――まずは曲ありきということになるのでしょうか?
LiSA「まずは伝えたいこと、たとえばこの曲だったら『永遠』というテーマが最初にあるのですが、そのテーマをもとに、曲を聴いて浮かんできた絵を詞にしていくという感じなので、同じテーマでも曲によって詞は変わってくると思います。そういう意味では曲ありきですね」
――普段から詞を書き溜めたりはしていないのですか?
LiSA「それはないですね。こういうものを書きたいなっていうテーマのようなものは書き溜めてあるのですが、実際にフレーズとして綴っておくということはないです」
――「永遠」の作曲は岸田教団&THE明星ロケッツの岸田さんですか、初めて曲を聴いたときの印象はいかがでしたか?
LiSA「一番初めに聴いたときは、まだ未完成の状態だったので、『これなんだろう?』ってところから始まったのですが、岸田さんがそれ以前に作っていらっしゃった曲を聴いていたので、たぶんこういう感じになるんだろうなっていう想像も何となくできていて、その時点では、『ウフ』っていう感じの曲じゃないなって思いました(笑)」
――「ウフ」ではないと
LiSA「どちらかというと『オラ』っていう感じだと思ったので、今回のような歌詞を書かせていただきました」
――LiSAさんのベースとなる音楽はロックだと思うのですが、そういう意味では、「ウフ」よりも「オラ」のほうがLiSAさんとしてもやりやすかったのでは?
LiSA「そうですね。私自身、『ウフ』っていう人間ではなくて、きっとたぶん『オラ』っていう人間だと思います(笑)」