3DMark Vantage
まずはDirectX 10世代の3DMark Vantageから。プリセットで設定した「Extreme」「High」「Performance」の結果のうち、Radeonとの公平性から、GPU Scoreの項目のみをグラフ化している。
3DMark 11
続いてDirectX 11世代の3DMark 11の結果だ。プリセット設定の「Extreme」「Performance」「Entry」の結果のうち、PhysicsやCombinerの項目も含めた総合スコアとなる3DMark Scoreと、GPUのみのGPU Scoreの数値をグラフで示す。
Unigine Heaven Benchmark v2.5
DirectX 11にて、テッセレーションはNormal、シェーダはhigh、Aniso 4x、AA offの解像度1920×1080ドットという設定で計測したHeaven Benchmarkの結果をグラフで示す。
LOST PLANET 2 Benchmark Version
LOST PLANET 2 BenchmarkのDirectX 11版のテスト結果。解像度は1920×1080ドットの設定で、ほかは基本デフォルト設定のままで、垂直同期のみ切っている。なお、ご存知のように、もともとGeForce系のスコアがRadeonよりかなり高く出るタイトルなので、その点は留意いただきたい。
Tom Clancy's H.A.W.X 2 Benchmark
DirextX 11タイトルをもうひとつ、H.A.W.X 2 Benchmarkのテスト結果だ。設定は、解像度が1920×1080ドットで、あとは全部Highの、垂直同期はOffというもの。これもGeForce系のスコアがRadeonよりかなり高く出るタイトルなのだが、なぜかGTX 590がGTX 580に負けた。明らかにおかしいのだが、原因を特定できなかったため参考値として見ていただきたい。
消費電力
最後に消費電力を計った結果だ。いつものように「ワットチェッカー」でシステム単位の消費電力を計測している。アイドルはOS起動後の何もしていない状態の数値で、ピークは3DMark 11のGT1/2/3/4実行中の最大値である。
まとめ
さて、GeForce GTX 590の評価だが、3DMarkの結果を見る限りは、地力はRadeon HD 6990といい勝負で、甲乙付けるのは少し難しい感じである。ゲームタイトルの方はというと、今回は特にGeForceに有利なタイトルがメインなわけだが、見て分かるとおり、GeForceかRadeonか、という話になると、"最適化"の具合が相当に重要なファクターとなってくることが明白である。有力タイトルへの最適化の働きかけが"上手い"ことから、総合的には"GeForce"が有利というのは、まぁ今更だが今でも通用する傾向だろう。
一方で大きなポイントとなっているのが消費電力である。このクラスのGPUでこの話をする必要があるのかは疑問だが、GTX 590の消費電力はやはりハンパではない。カードの発熱も相当なもので、動作中は素手で触れないほどの熱さとなっていた。ただ、搭載されている冷却ユニットの性能が良好なのか、今回試したGTX 590カードでは、動作音自体はそれほどでも無く、HD 6990のリファレンスよりはかなり静かという印象を受けた。
いつものハイエンドカードの評価コメントと殆ど一緒で申し訳ないが、GTX 590は、きちんとした電源を用意でき、ケース内の熱対策にも自信があり、なおかつ「コストよりも性能第一」のユーザーにはオススメできる。GTX 580を2枚買うつもりだったユーザーには、GTX 590の方が扱いやすいと見えるかもしれない。また、ライバルAMDのHD 6990との競争力は、今後の実売価格の推移にかかってくるだろう。