米NVIDIAが先月末に発表した「GeFerce GTX 590」は、GeForce GTX 500シリーズの新たな最上位モデルであり、NVIDIAとしてはGeForce GTX 295以来のデュアルGPUカードだ。ちょうどライバルAMDからもデュアルGPUカード「Radeon HD 6990」が登場したばかりであるため、今回は主に両者の比較ベンチマークをお届けしたいと思う。

今回利用したGeFerce GTX 590カードはMSIの「N590GTX-P3D3GD5」

Radeon HD 6990と比較。カードサイズは意外と短い

MSIのGeFerce GTX 580カード「N580GTX Lightning」と比較。実は基板サイズは同じ

GTX 590のスペックを確認しておこう。まずこれは、Ferimi世代の"GF110"コアがベースと考えられるGPUを、1枚のカード上に2基搭載するデュアルGPUカードだ。コアの製造プロセスは40nm、トランジスタ数は30億個×2。CUDA Core数は512基×2、Texture Unit数は64基×2、ROP数は48基×2。コアクロックは607MHz、シェーダクロックは1215MHz。メモリタイプはGDDR5で、動作クロックは3414MHzMHz(データレート)、メモリインタフェース幅は386bitで、メモリ容量は1536MB×2。カード単位の公称消費電力は最大365W。米国市場におけるカード参考価格は699ドルなので、店頭実売ではHD 6990と同価格帯になって行くだろう。

参考: GTX 580/GTX 570との仕様比較
GPU GeForce GTX 590 GeForce GTX 580 GeForce GTX 570
Direct X/SM DirectX 11/SM5.0 DirectX 11/SM5.0 DirectX 11/SM5.0
製造プロセス 40nm 40nm 40nm
トランジスタ 30億個×2 30億個 30億個
CUDA Core(SP) 512基×2 512基 480基
Texture Unit 64基×2 64基 60基
ROP 48基×2 48基 40基
コアクロック 607.5MHz 772MHz 732MHz
シェーダクロック 1215MHz 1544MHz 1464MHz
メモリタイプ GDDR5 1536MB×2 GDDR5 1536MB GDDR5 1280MB
メモリ接続バス幅 384bit×2 384bit 320bit
メモリクロック 853.5MHz 1002MHz 950MHz
最大消費電力 365W 244W 219W
補助電源コネクタ 8ピン×2 8ピン+6ピン 6ピン×2

では、テストに入る前に、今回のテストで用いるグラフィックスカードと、その他テスト環境を紹介しておく。まずGeForce GTX 590カードはMSIの「N590GTX-P3D3GD5」で、スペックはリファレンスだ。比較用には、AMDリファレンスカードのRadeon HD 6990と、参考までにGeForce GTX 580カードとしてMSIの「N580GTX Lightning」を用意した。なお、N580GTX Lightningについては、こちらのリンク先の記事を参照していただきたいが、オーバークロック仕様かつ独自基板のカードとなっており、ベンチスコアや消費電力テストで標準のGTX 580より優秀な結果が出るため、その分は差し引いて、この後の結果を見ていただきたい。

左から、今回利用した「N590GTX-P3D3GD5」、「N580GTX Lightning」、Radeon HD 6990リファレンスのGPU-Z

■主なテスト環境
GPU GeForce GTX 590 GeForce GTX 580 Radeon HD 6990
カード MSI N590GTX-P3D3GD5 MSI N580GTX Lightning リファレンス
GPU Driver GeForce Driver 267.91 GeForce Driver 266.58 Catalyst 11.4
CPU Intel Core i7-2600K(3.40GHz)
M/B Intel DP67BG(Intel P67 Express)
Memory DDR3-1333 CL9 4GB(2GB×2)
Storage Intel X25-M G2 80GB
OS Windows 7 Ultimate 64bit