入館して最初に行くところ

「リニア・鉄道館」に入館すると、最初に通過するゾーンは最高記録達成車両のシンボル展示室。狭軌における蒸気機関車最高速度、時速129kmを達成したC62、電車方式で最高の時速443kmを出した955形式新幹線試験電車(300X)、鉄道最高の時速581kmを出した超電導リニアMLX01-1が並ぶ。暗い部屋で、スクリーンの映像と共に各車両にスポットライトを浴びせる。ここでは誰もが興奮して、明るくなったところで車両で記念撮影を始める。

いきなり実物車両が出現、しかし慌ててはいけない

午前中に入館したら、最初は「鉄道模型ジオラマ」に行こう。20分間のプログラムで、間近で見られる20分間入れ替え制の「じっくりコース」と、遠くから眺めつつ通り過ぎる「ちょっと見コース」がある。

ジオラマは新幹線と東海道線の線路をメインに、N700系や313系がビュンビュン走る。夜のシーンではサンライズエクスプレスや保線車両が活躍。奥のほうにある単線のローカル線や、一瞬で通り過ぎるリニア、車両整備工場、遊園地、ライブ会場、映画撮影現場、白川郷の合掌造り、マラソン大会など見所を挙げるとキリがない。並んでいたとき「エイリアンがいる」とこどもが話していたけれど筆者には見つけられなかった。早くも都市伝説が生まれているのだろうか。

東京、名古屋、大阪を再現した鉄道模型ジオラマ

お土産と食事を確保

次に行くところは「ミュージアムショップ」だ。出口の先にあるけど、再入館のスタンプを押してもらえるので、見学中に購入してもOK。なお、新幹線型の長いバームクーヘンなど、電車の箱に入ったお菓子はあおなみ線の駅やJR名古屋駅の売店でも買える。混んでいる時間帯に入店してしまったら、ミュージアムオリジナルグッズに絞ったほうがいい。

ミュージアムオリジナルグッズの車両型クリップ

デリカステーションで販売中の「汽車土瓶」

ちなみに、館内にレストランはない。もしお弁当を持たずに来てしまったら、次に行くところは2階のデリカステーション。筆者が行った日はウェイティングの列が1階までのびていた。この列はお弁当が品切れになるまで続くから、食糧の確保は早めに。なお、デリカステーションでもおみやげを売っている。筆者のオススメは復刻版の「汽車土瓶」だ。

こども連れなら、次に押さえておきたいポイントはキッズコーナー。プラレールのレイアウトがあり、備え付けのプラレールで遊べる。ここも午後は大盛況だ。ちなみにこどもと保護者以外は入れない。こどもには天国のようなところだけど、ここから出たくないと言われてしまうと、保護者は見学できなくなってしまうので要注意だ(笑)。

大人が見ても飽きないプラレールレイアウト

シミュレータは抽選制

人気コーナーの新幹線と在来線のシミュレータは抽選制となっている。入館時に配られる入館記念カードに抽選券が付いている。抽選券を箱に入れる仕組みで、希望する回ごとに実施されるから、希望の回のタイミングにあわせて投函しよう。抽選受け付け箱は開館時はエントランスに、その後はイベント広場に設置される。筆者は抽選に外れてしまったが、シミュレータ室は自由に見学でき、映像を楽しめた。抽選に外れたとしても、せめてN700系シミュレータの巨大スクリーン映像は観ておきたい。

N700系シミュレータは見ているだけでも楽しい

在来線シミュレータはゲーム感覚

映像系展示は3カ所

他に人気のコーナーは映像系の展示。デリカステーション横の映像シアターは「東海道新幹線の歩み」を上映していた。さらに1階の超電導リニア展示室のシアターと、ドクターイエローの車内モニターがあり、特に超電導リニア展示室の演出が凝っていて面白かった。リニア車両のモックアップの座席に座り、CG映像でリニア実験線の体験をさせてくれる。映像に合わせて、車輪走行時の振動、浮上走行時の安定感、時速500km以上の風切り音などが再現されている。映像は正面スクリーンのほか、座席横の窓の風景も映し出される。ドクターイエローの車内では、新幹線の保守の映像を見られる。もっとも、車内出入口は映像を見るというより、ドクターイエローの中に入りたいという人で混み合っている。

15時までは資料展示をじっくり見物

他にも各所に展示コーナーがある。2階の東海道線の歴史展示は実物資料や模型もあって凝った作りだ。1階の壁際にある「鉄道のしくみ」コーナーは、モーターや台車の進化が実物を見て比較できる。新幹線司令室のパネルやCTC、ATCの紹介は模型などを使った立体的な演出で興味深い。

2階の東海道線の歴史展示

1階の展示、配線好きは壁にも注目

「リニア・鉄道館」の建物は自然採光を取り入れており、実物車両を撮るなら明るい時間帯がよさそうだ。春分から秋分までは閉館時間まで明るいけれど、冬は早めに暗くなってしまうと思われる。開館したばかりの博物館は連日の混雑が予想されるが、ぜひ、この夏までに見に行こう。こども連れは特に「リニア・鉄道館☆往復きっぷ」が安い5月末までがオススメだ。

「リニア・鉄道館~夢と想い出のミュージアム~」は火曜日と年末年始が休館日。ただし火曜日が祝日の場合は開館し、翌日が休館。開館時間は10:00~17:30。入館料は大人1,000円、小中高生500円、3才以上未就学児は200円。障害者手帳を持っている場合は本人と付き添いとも大人500円、高校生以下200円。シミュレーターはN700が500円、在来線運転が100円、在来線車掌が500円。外国人向けの音声ガイドは500円。